三菱電機製FOMA端末の電池パックに不具合 3機種の販売を一時停止

【2006年12月7日】

問題の電池パックはD902i以降の90x系機種で使用されている。写真は最新のD903i(資料、GFDL/cc-by-sa)

NTTドコモが7日、三菱電機FOMA端末D902iおよびそれ以降の90x端末用の電池パックの一部のロットに発熱や破裂につながる問題があり、約130万個の回収・交換を行うことを発表した。

問題の電池パックは京都にある三洋電機の子会社「三洋ジーエスソフトエナジー」が製造したD06で、製造時期がD902i発売の2005年11月からD902iS発売前の2006年5月までの物。D06のうち、電池の品番などを書いた面の上に接するまちの部分のラベルに「OKA」「OLA」「PAA」「PBA」「PCA」「PDA」「PEA」とあるものが該当する。製造時期からそのほとんどはD902iが対象であるが、IT情報サイトITmediaの編集部ではD902iSに問題のロットの電池パックが入っていたことがあり、NTTドコモもD902iSおよびD903iのユーザーにもロット記号を確認するよう要請している。

電池パックの外装に傷が付くレベルの力がかかった場合に内部電極の変形により絶縁保護用のシートが破損し、内部でショートが起きる事で異常電流が流れ発熱や破裂が発生すると発表されている。11月にこの現象により電池パックが破裂した事故が1件あった他、7件について原因を調査中、そのほかに10件の不具合があったとロイターが伝えている。

2006年3月上旬に三菱電機と三洋ジーエスソフトエナジーがこの事態を把握したため4月に製造工程を変更した一方、このときに回収を行わず発熱などの問い合わせに対しては店頭で個別に対応していたと毎日新聞は伝えている。またロイターによれば、この時の両社による調査では外部からの力により変形した状況でのシミュレーションを行わずに大きな問題ではなかったと結論付けた事に三菱電機の伊藤善文副社長が触れ、「外部からの力による変形時のシミュレーションを行っていれば早い段階で対応できた」と対応の悪さについて反省していると伝えている。

なおNTTドコモはこの問題に対する交換対応用の電池を確保するために、問題の電池パックを使用するD902i/D902iS/D903iの販売を一時停止すると発表している。ITmediaは販売の再開は2007年1月下旬になると予測している。

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