ローマ教皇、5人を列聖―聖職者の独身制を強調

【2005年10月24日】

ローマ教皇ベネディクト16世は、23日、バチカン・サンピエトロ広場で列聖式を行い、5人を新たにカトリック教会の聖人とみなすことを宣言した。これはベネディクト16世にとって、就任以来初めての列聖式のミサとなった。

BBCなどによると、この日列聖されたのは、チリ人のイエズス会士1人、現ウクライナ・リヴィフのポーランド人聖職者2人、イタリア人2人(カプチン会士1人、ある修道会の創設者1人)。5人は前教皇故ヨハネ・パウロ2世の在位中に列聖を承認されていた。

ベネディクト16世の前任者、故ヨハネ・パウロ2世は列聖に熱心なことで知られ、在職中に482人を列聖した。BBCによれば、それ以前の500年間に聖人とされた人の数を上回る数字となった。ベネディクト16世が即位してから開始された列聖審査は、故ヨハネ・パウロ2世を対象とするもののみであると、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)などは伝えている。

このミサはバチカンで行われていた司教会議の閉会式をかねていた。教皇庁から出された閉幕の手紙のなかで、教皇は中国の司教たちが参列できなかったことは残念であるとする言及を行い、特別の挨拶を送った。BBCによると、中国政府が出国を許可しなかったため、中国の4人の司教がこの会議を欠席した。中国はカトリック教会の活動を非合法としている。

またVOAなどによると、教皇はミサの説教のなかで、教会聖職者の独身制を再確認した。東方正教会などは聖職者に新たな結婚を禁じる一方で妻帯者が聖職につくことを認めている。またほとんどのプロテスタント教会は聖職者が新たに結婚することも含め聖職者の結婚を許している。これに対しカトリックは、東方典礼カトリックや他教会からの転入者などの例外を除き、聖職者に独身を義務付けている。

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