ロシア、墜落した軍用機をめぐりリトアニアに国際法遵守を要請

【2005年9月21日】

リトアニアの地図。西隣はロシアのカリーニングラード地方管区。サンクトペテルスブルクは図の外、北に位置する。

15日にロシア空軍の戦闘機スホーイ Su-27がリトアニアに墜落した。墜落機の操縦士ワレリー・トロヤノフ少佐はいまもなおリトアニアの拘置所に拘束されている。リトアニア政府は、操縦者はリトアニア上空を飛行する許可をもっていなかったと発表した。ロシア外務省情報報道局は、この飛行は偶然の出来事であるとする公式声明を出した。

墜落は、15日にリトアニア・ロシア国境から80キロメートル離れた地点で起こった。墜落地点はカウナスから55キロメートル離れた、ジョツィスキー村の近く。

インターネットのニュースサイト「現代のロシア」は、事故機はサンクトペテルスブルクからカリーニングラードへ飛行する途上だったが、バルト海上空で航法システムの異常により進路を誤ったものとしている。リトアニアのゲディミナス・キルキラス国防相は、欧州連合加盟国であるリトアニアの領空侵犯であるとロシアを非難した。

ロシア政府は、リトアニア政府がトロヤノフ少佐に不可侵特権を与えることを期待している。この不可侵特権は一般的な国際法に根拠をもっている。ロシア政府は、乗員同様に、飛行機もロシア連邦に返還されるべきとしている。ロシア外務省高官は、リトアニアに問題の建設的解決を期待している。

トロヤノフ少佐は、座席からの射出によって脱出した。これまでにヴィリニュスの医師による診断を受けた。健康状態は、事故があったことを考えれば、満足すべき状態にある。また少佐は現在のところ首都ヴィリニュスで事故の調査に参加している。これについてロシア外務省は「リトアニアの司法当局によって始められた調査について、トロヤノフ少佐に弁護士とヴィリニュスのロシア大使館館員が同伴した上で、リトアニア検察に対し陳述をさせた」と付け加えた。

ドイツ語版ウィキニュースの翻訳に基づきます。

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