ラジオ局・愛知国際放送が9月に廃局

【2010年6月22日】

9月末で廃局となる愛知国際放送のあるビル(名古屋市)CC BY 2.0

中日新聞によると、愛知県の外国語専門ラジオ放送「愛知国際放送(Radio-i=レィディオ・アイ)」は累積赤字が膨らみこれ以上の事業継続が見込めないとして、9月末で放送を終了、放送免許を返上する手続きをとり事実上廃局することを6月15日(UTC+9 以下同)発表した。

中日によると、愛知国際放送は愛知県を中心とした中京地方(他三重県岐阜県の一部と静岡県西部地域)を主要な放送エリアとして2000年開局。日本語英語など6ヶ国語で放送され、中京圏の20以上の企業が共同出資していたが、2008年に医薬品のメーカー・興和100%完全出資により子会社化された。しかし、広告収入が低迷し純損失が続き、2010年3月期決算で累積赤字28億8000万円になっていた。愛知国際放送は「ラジオの広告市場の縮小傾向が続いているため、これ以上は収益改善は見込めないと判断した」として廃局・清算する方針について説明している。

朝日新聞が東京商工リサーチ調べとして紹介したところ、2009年3月末の負債総額は19億円。また同じく朝日が総務省地上放送課の説明として紹介したところでは県域放送で経営悪化が続く局ではFM九州や、Kiss-FM神戸などが事業譲渡で放送継続を図っているが、放送自体が停止されるのは異例の事態である。また経営基盤が乏しいコミュニティーFMラジオ放送ではこれまでに15の放送局が放送を廃止しているという。

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