ムサウィ被告、共謀罪で終身刑の判決―アメリカ同時多発テロ

【2006年5月5日】

ザカリアス・ムサウィ被告

アメリカ合衆国連邦地方裁判所のレオニー・ブリンキマ判事は、2001年9月11日の同時多発テロで共謀罪に問われたザカリアス・ムサウィ被告の判決で、連邦地裁の陪審員の勧告を支持し終身刑を言い渡した。被告はコロラド州フローレンスにある連邦で最も警備が厳重な刑務所に収監される見込み。

「神はアメリカを呪っている。神はオサマ・ビンラディンを救ってくださる。彼を見つけることは決してできないだろう。」裁判官が判決文を読み上げる前にムサウィ被告は言った。

判事は答えて、「被告は殉教者となり、神の栄光が炸裂する中で死のうと、ここに来た。しかしその代わりに、詩人のT. S. エリオットの言葉通り、泣きながら死ぬことになるのだ。」

女性3人・男性9人から成る12人の陪審員は、僅か1週間の討論と6週間で終えた審理の後で評決を出した。

「アメリカは負けた。」「私は勝った。」評決が読み上げられた後、ムサウィ被告は言った。

陪審員のうち少なくとも3人はムサウィ被告は攻撃について十分に知っていなかったとの結論に至り、3人は攻撃における役割は重要なものでないと言い、3人はムサウィ被告は子供のときに人種差別を受けたと、9人は父親の虐待を受けたと、別の陪審員は、「家庭が崩壊した」ことで被告は家出を余儀なくされたと、言った。

この評決は「今回の事件が終わったことを示しているが、テロとの戦いは終わっていない」とブッシュ大統領は言った。「ムサウィ被告は公正な裁判を受けた。陪審員は終身刑を評決し、被告は残りの人生を刑務所で過ごすことになる。被告には明らかに、無辜の市民に対して、残りの人生を与えるなどということを行うつもりがなかったことであるが、陪審員はこの評決によってそれを行ったのである。アメリカ合衆国がこうした殺人者に対する攻撃を続け裁判にかけることは、とても重要である。」

キャリー・レマックさん(9.11事件被害者の娘)は「9.11事件の家族全員が合意することのできることは、この国で攻撃が二度と再び起きないこと以外には全くありませんし、私は皆の意見を尊重します。重要なことは、ムサウィが、自分が殉教者になり歴史上の人物の仲間入りしようと望んだことがかなえられなかったことを確かめられたことです。陪審員が証拠をよく見てまさに被告がアルカイダの跳ね上がりだということをしっかり理解してくれたことが嬉しいです。」と語った。

この記事はウィキニュース英語版からの翻訳です。

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