マラウイへの食糧支援要請に反応なし

【2005年9月10日】

マラウイの位置

国際連合が先月末行ったマラウイへの飢餓対策支援の呼びかけに、現在応じている国はひとつもないと8日、国連が発表した。BBCなどが報じた。

10日前に、国連のヤン・エゲランド緊急支援調整官は、寄付による支援の呼びかけを行い、とくに石油の価格高騰で恩恵を受けているペルシャ湾岸各国に支援を要請した。「湾岸や他の地域には、石油価格の追い風を受けた多くの国がある。1日に1ドルで1人の生命が救えるのだ」とエゲランド緊急支援調整官は語った。

マラウイはアフリカ南部に位置し、世界最貧困国のひとつ。人口のほとんどが1日1米ドル以下で生活している。1,000万の人口のうち、400万人が毎日飢えに直面している。

マラウイ国内で生産するトウモロコシは130万トンで、全人口に必要な量の半分をまかなうのみである。一方、AFP通信によれば、マラウイの一部で物価は50%上昇しており、この地域の人々の生活をさらに困難なものにしていると国連の当局者は語った。

BBCによると、イギリスの支援団体オックスファムの試算では、支援が迅速に行われない場合、今年の年末には南部アフリカ全体で1,000万人が深刻な飢餓に直面する可能性がある。またマラウイを含む南部アフリカではHIV(AIDS)も深刻な問題となっており、地域一帯では成人の40%がHIVに感染している。国連世界食糧計画(WFP)のマイク・サケット南部アフリカ地域担当官は、「HIV感染は、もっとも脆弱な世帯への深刻な脅威となっている」と指摘している。

モザンビークの位置

国連ニュースによると、9日には、WFPから、隣国のモザンビークへ1,900万米ドルの緊急支援の要請がなされた。マイク・サケット南部アフリカ地域担当官は、43万人の住民に対して、WFPが現在確保している食糧は必要とされる3分の1であるといい、この状況は11月以降、急激に悪化することが見込まれるとしている。WFPでは12月から4月にかけて南部アフリカへ食糧支援を行い続けている。

英語版ウィキニュースからの翻訳に基づきます。

出典


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