ポリサリオ戦線、モロッコ人捕虜404人を解放

【2005年8月21日】

西サハラで独立を求める武装組織ポリサリオ戦線が、最後まで拘留していたモロッコ人捕虜404人を18日解放した。ジュネーブの国際赤十字委員会が発表した。赤十字によれば捕虜のほとんどは16年から20年の間、抑留されていた。解放には赤十字のほかアメリカ合衆国による仲裁があった。

ポリサリオ戦線とモロッコの間には多年の軍事衝突があり、1991年に国際連合の仲介で停戦し、住民投票による帰属決定が提案された後も、モロッコが実効支配を強化しようとし投票準備が進まないなど、両者の関係は改善されていなかった(ウィキニュース日本語版「西サハラ」による)。

この解放によりモロッコとポリサリオ戦線の軍事衝突が改善される可能性が出ている。赤十字は、これが和平につながると期待していると語った。またガーディアン紙によれば、ポリサリオ戦線のある指導者はスペインの通信社に「この[和平へ向けた]合図の身振りは今後の展開を進めやすくはずである」と語った。

西サハラは旧スペイン領で、ほとんどが砂漠であるが、地下資源に富む。面積26万6,000平方キロメートルとニュージーランドよりやや小さく、人口は26万人から30万人程度と推測されている。1975年スペインが撤退したのちは、モロッコが領有権を主張する一方、アルジェリアの支援を受けるポリサリオ戦線が独立を求め、紛争が続いている。モロッコを除くアフリカ諸国はポリサリオ戦線による政権を承認しているが、アメリカ合衆国などほとんどの先進国は西サハラの領有権を係争中であるとみている。

出典

 
Wikipedia
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