ブラジルのボルソナロ前大統領の支持者 ブラジル議会などを襲撃
【2023年1月9日】
抗議活動を続けてきたブラジルの前大統領のボルソナロの支持者が、ブラジル議会の建物の中に入り、警察が催涙ガスを使う事態となった[1]。フジテレビが伝えたところによれば、その支持者の数は数百人に上るという[2]。ただ、テレビ朝日と日本テレビが共に地元メディアの情報を引用して伝えたところによれば、この襲撃には3000人の支持者か関与しているという[3][4]。この支持者は、2022年10月の大統領選を無効を求めると共に、軍の介入に加え、左派のルラ大統領の拘束を要求しているという[5]。今回発生した事象は2021年にアメリカにおいて、前大統領のトランプの支持者による議会襲撃事件に似ているという[2]。
ブラジルでは、2022年10月に実施された大統領選の決選投票で、ルラが僅差でボルソナロを破り、当選を果たしたが、ボルソナロは大統領選の以前から、繰り返し、現在用いられている電子投票では、不正が行われることを主張していて、一部の熱狂的な支持者が、その大統領選の直後から、選挙無効を訴えるデモをしていた[5]。
NHKがロイター通信の情報を引用して伝えたところによれば、ボルソナロの支持者がブラジルの連邦議会の近くにある最高裁判所の建物内にも入ったほか、大統領府の建物をボルソナロの支持者が取り囲んでおり、さらに、ロイター通信が撮影した映像では、大統領府内において、窓ガラスが割られ、展示していたものが壁から剥がされているのが確認された[1]。日本経済新聞が伝えたところによれば、映像では、ボルソナロの支持者のカラーとなっている黄や緑をまとった集団が敷地内に侵入した様子が捉えられていた[6]。また、読売新聞が地元紙の情報を引用して伝えたところによれば、建物の中にある家具・美術品を壊し、書類を破る行為をしたという[7]。NHKによれば、黄色の服を着ている多くのボルソナロの支持者が建物の中にとどまっており、支持者の中には、ブラジルの国旗を掲げている人に加え、テーブルの上に座って、写真や動画を撮影している人も見受けられた[1]。
なお、ボルソナロは2022年12月30日にブラジルを離れ、アメリカのフロリダ州オーランドに滞在している模様で、大統領の就任式には欠席している[6]。
情報源
編集- ↑ 1.0 1.1 1.2 『ブラジル 連邦議会に前大統領支持者侵入 周辺で抗議活動続く中』 — 日本放送協会, 2023年1月9日
- ↑ 2.0 2.1 『ボルソナロ氏支持者ら数百人 大統領選は「不正」と暴徒化』 — フジテレビ, 2023年1月9日
- ↑ 『【速報】ブラジルで前大統領を支持の過激派が暴徒化し大統領府などに侵入』 — テレビ朝日, 2023年1月9日
- ↑ 『ブラジル前大統領支持者ら議事堂や最高裁を襲撃 “3000人関与”との報道も』 — 日本テレビ, 2023年1月9日
- ↑ 5.0 5.1 サンパウロ中村聡也 『ブラジル前大統領の支持者ら国会議事堂に乱入 ルラ氏当選に反発』 — 毎日新聞, 2023年1月9日
- ↑ 6.0 6.1 サンパウロ=宮本英威 『ブラジル、前大統領支持者が議会や最高裁を襲撃』 — 日本経済新聞, 2023年1月9日
- ↑ ブラジリア=大月美佳 『ブラジル前大統領支持者ら、連邦議会や大統領府に侵入…美術品を破壊・書類を破る』 — 読売新聞, 2023年1月9日