フリーソフトウェア財団がGPLv3の最初の草案を発表

【2006年1月24日】

開会の辞を述べるリチャード・ストールマン氏。FSFのエベン・モグレン弁護士が、画面奥に座っている。
左のノベル社のジェレミー・アリソン氏が質問しようとしている。画面中央の青く見えるのがブルース・ペレンズ氏。Googleのクリス・ディボナ氏が、遠い方のマイクの3番目に並んでいる。

フリーソフトウェア財団 (FSF) は16日(東部時間、UTC-5)、GNU General Public License (GPL) の次のバージョンの最初の草案を、アメリカマサチューセッツ州ケンブリッジのGPL第3版 (GPLv3) 国際公開会議で発表した。この改訂では、1991年に発表された第2版からの、GPLに対する最初の変更が示されている。

FSFのリチャード・ストールマン代表によると、このライセンスの最も重要な変更は、GPLv3に他のフリーなソフトウェアライセンス、とりわけ、アパッチソフトウェアライセンス2.0及びEclipseライセンスとの両立を可能にするものである。次に重要な変更は、ストールマン氏によれば、「許容することが存在しえないもの」であるデジタル著作権管理 (DRM) に対してGPLソフトウェア使用を禁止する条項の追加である。

この日正午(日本時間17日午前2時)現在、このライセンスの草案(英語)はFSFのウェブサイトで入手できる。16日から17日まで続いたライセンスに関する会議は、マサチューセッツ工科大学のキャンパスの第10棟250号室で行われた。およを200人が会議の午前の部に出席し、その中でエベン・モグレン弁護士が彼によれば「短時間の」ライセンスの変更についての概論を90分間行った。

モグレン弁護士のプレゼンテーションは、法律上の詳細について、かなり大量に取り扱ったが、しかめつらしいものではなく、冗談さえ飛び出した。前列に座っていたFSF職員のデーブ・ターナー氏の携帯電話がモグレン弁護士の講演の最中に鳴ると、他の者が警察の監視について発言する前にストールマン氏が話をさえぎり、聴衆に向かい「携帯用の追跡監視装置を持っておいでになった方がおられましたら、電源をオフにしてください。」と言った。

この会議に出席した人々の中には、ブルース・ペレンズ氏、アンドリュー・トリッジェル氏、クリス・ディボナ氏ら多数の有名なフリーソフトウェア作家がいた。ウィキニュースのリポーターであるブランドン・スタフォード氏によると、IBMサン・マイクロシステムズがもっとも多くの従業員の出席した会社だった模様。会社の代表としては、IBMのボブ・スーター、クレイグ・クック、マーク・ブラウン氏が、サン・マイクロシステムズのサイモン・フィップス氏とダグ・ジョンソン氏がいた。また、インテルレッドハットMySQL AB日立製作所クアルコムなどの代表がいた。

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