フジモリ元大統領、来年4月のペルー大統領選に出馬表明

【2005年10月7日】

2000年より日本に滞在しているペルー元大統領アルベルト・フジモリ氏は、6日東京で行った記者会見の席上、来年4月のペルー大統領選挙に出馬することを発表した。

ペルーでは来年4月に大統領選挙が行われる。朝日新聞によれば、立候補手続きは来年1月まで受け付ける。フジモリ氏は、自身の講演会の後、記者会見を行い、大統領選挙に出馬すると明言した。記者会見は日本語で行われた。

フジモリ氏は2000年11月17日、日本を訪問中に突如辞任を発表し、以後日本に滞在を続けている。事実上の亡命であるが、フジモリ氏は日系二世でペルーと日本の二重国籍者であるため、日本政府はこの滞在を容認している。のちペルー議会から罷免され、また在任中の犯罪を理由にペルーで起訴された。罪名は、殺人罪、権力乱用罪などである。ペルー政府は日本政府に犯罪者引渡しを求めたが、日本政府は、フジモリ氏が日本国籍を有していることを理由に、引渡しを拒否している。また、ペルー議会はフジモリ氏の公職追放を決議している。それによれば2010年までフジモリ氏はペルーでの公職に就くことができない。

フジモリ元大統領は1990年に大統領に当選。経済改革を進め、1992年4月議会を解散して独裁的な権力を握った。同年11月議会を再開したが、強権的な政治手法はかわらず、反発もあった。政権末期には、反対派から汚職などの権力乱用を批判されていた。

一方、記者会見で、フジモリ氏は立候補への「法的な障害はない」としている。報道では、フジモリ氏がペルーに帰国すれば逮捕されるとみられているが、フジモリ氏は支持者がそのような問題を解決するよう動いていると自信を示した。ただし帰国の時期については明言を避けた。

報道によれば、フジモリ氏は今年9月にペルー大使館で新しいペルー旅券の発行を受けている。

AP通信=米ABCによれば、ルイス・マキャベロ在日ペルー大使は、フジモリ氏の出馬表明を「嘘」と呼んだ。ペルー当局はフジモリ氏を逮捕する計画であるためという。

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