フィリピンで軍がクーデター、大統領が非常事態宣言

【2006年2月28日】

反政府スローガンを叫ぶ学生たち、マニラ、2月21日、VOA

ロイターによると、フィリピンで、グロリア・マカパガル・アロヨ大統領の政権を転覆することを謀るクーデターが発覚したが、首謀者とされるダニロ・リム准将が逮捕され、鎮圧された。

朝日新聞によると、発覚したのは23日(UTC+8)から24日にかけて。マニラ首都圏において、軍高官がクーデターを計画していたとされる。

これに対し、アロヨ大統領は24日午前2時(日本時間午前3時)、全土に非常事態宣言を出し、集会会場を禁止し、マニラ首都圏の学校を休校とするなどとした。また、読売新聞によれば報道機関に対し、反政府的な報道を控えるようにとの警告を発した。

2月25日はフェルディナンド・マルコス氏に変わってコラソン・アキノ氏が大統領に就任したエドゥサ革命(ピープル・パワー革命)から20周年に当たり、反アロヨ勢力が集会を予定。24日には5,000人規模の集会が開かれた。

東京新聞によれば、大統領の支持率は10%台。「マルコス時代の方が生活は楽だった」という人もマニラ首都圏のスラムには多く、今回の非常事態宣言を「強権だ」ととらえている国民も多いと東京新聞は伝えている。

朝日新聞によれば、政府は24日、グレゴリオ・ホナサン元上院議員を訴追した。同元上院議員は、エドゥサ革命で中心的な人物の一人。また25日になってデイリー・トリビューン紙を捜索した。この新聞は政権に批判的なことで知られる。また、日本放送協会によれば、25日、野党系の下院議員1人が理由が明確に示されないまま身柄を拘束された。

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