フィリピンで、死刑制度が廃止に
【2006年6月25日】
24日、フィリピンのアロヨ大統領は死刑制度を廃止する法案に署名し、同法は成立した。フィリピンの国会は7日に、死刑廃止法案を可決していた。
CNNによればフィリピンでは1987年に死刑が廃止されたが、1994年に復活した。復活以降、7人が死刑を執行されている。
朝日新聞や毎日新聞によればフィリピンではカトリック教会が死刑廃止を求めていた。熱心なカトリック信者とされるアロヨ大統領は、就任以来、死刑執行の延期を行い、死刑の執行は行われていない。今年4月には、執行の延期より1歩踏み込んだ死刑執行停止を宣言していた。同大統領は25日からバチカン訪問を含む訪欧を予定しており、法案の成立にこだわっていたと言われ、緊急法案に指定して審議を急がせていた。犯罪被害者の組織である「犯罪と腐敗に反対するボランティア」は、カトリック教会を味方にするための措置と批判し、犯罪被害者が司法に頼らず私的な報復をするようになるとの憂慮を表明した。
今回の死刑廃止により、同国の1,200人あまりの死刑囚が死刑を免れることとなった。
なお、世界で死刑制度を廃止した国は87カ国となった。
出典
- 『比で死刑廃止法成立 大統領、バチカン訪問を前に署名』 — 朝日新聞, 2006年6月24日
- 『フィリピン大統領が死刑廃止の法案署名、12年ぶり』 — CNN, 2006年6月24日
- 朝日新聞 『フィリピンが死刑廃止 復活、廃止の繰り返し』 — goo, 2006年6月8日
- 『フィリピン:再び死刑廃止 法案が成立、1200人減刑へ』 — 毎日新聞, 2006年6月25日