パリ・ダカールラリー2008開催中止 モーリタニアの治安悪化のため

【2008年1月5日】

パリ・ダカール・ラリーで通過する国(オレンジは1992年のパリ~ル・カップで通過した国 GFDL)

時事通信によると、毎年新年の恒例として行われてきた世界一過酷な自動車ラリーレース・パリ・ダカールラリーの主催者は1月4日、翌5日から開催する予定だった2008年の大会を取り止めると発表した。

これは開催コースのうちの一つ、モーリタニアで2007年12月24日、フランス人4人が殺される事件が発生し、治安上の問題が懸念されており、フランス政府がモーリタニアへの渡航を控えるように忠告していた。このため、フランスの外務省と主催者らが相談して今開催を取り止めることを決めたという。読売新聞によると、主催者は「大会関係者の安全を考えると中止以外の選択肢はない」と話している。また朝日新聞によると、この殺害事件はアルジェリアを主要な拠点とするイスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)の関係者が犯行したのではないかとされており、アルカイダ側もフランス人を標的とする発言をしていたことから、クシュネル外相が1月4日「危険だ」として開催の中止を求めていた。

読売によると、今大会は1月5日にポルトガルリスボンを出発。モーリタニアには11日から19日の9日間通過することになっていて、20日にセネガルダカールにゴールするという日程が予定されていた。朝日によると、当大会はこれまでにも2000年にニジェールを通過する予定のステージが中止されるなど部分的なスケジュール変更があったが、全部中止になったのは1979年の開始以来30年目で史上初めてのことだ。

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