バリ島で3つの爆発 死者も

【2005年10月2日】

インドネシア、バリ島の位置
ジンバランのビーチレストラン(資料)
クタ、パンタイ通り(資料)

1日、インドネシアバリ島の観光客がよく集まる2つの場所で計3件の爆発が起こった。AP通信は少なくとも25人が死亡したと伝える一方、AFP通信が死者は35人としたことを伝えた。また2日未明のNHK衛星ニュースは122人が負傷したと報道した。現地で午後7時(現地時間=インドネシア中央時間、UTC+8、日本時間午後8時)過ぎに2つのビーチリゾートで、3つの爆発が、ほぼ同時に起こった。発生時間についてはいくつかの情報があり、ジャカルタポストは現地時間で午後7時20分から午後7時42分(日本時間で午後8時台、UTCで午前11時台)の間に起こったと伝えている。

爆発のうち2つはジンバランで、1つはデンパサール国際空港を挟んで北に約30キロ離れたクタで起こった。クタはバリ島でもっとも観光客が多く集まる場所のひとつ。爆発はそれぞれ異なるレストランで起こった。

NHKが日本時間の2日未明に伝えたところによれば、インドネシアのユドヨノ大統領は急きょテレビで会見し、「明らかに無差別テロ事件だ」と述べ、徹底した捜査を命じたことを明らかにした。またロイターはテロ対策専門家の発言として、ジェマー・イスラミアによる犯行であるとの観測を伝えた。ジェマー・イスラミアはアルカイーダと関連があるとみられているテロ組織。

バリ島クタでは2002年10月12日、外国人観光客の多く集まるナイトクラブで爆破テロがあり、202人の死亡者を出した。インドネシア警察当局はこの2002年の爆破テロをジェマー・イスラミアによる犯行であるとしている。

被害者の状況 編集

AP通信・共同通信他は少なくとも25人の死者と100人以上の負傷者が出たと伝えている。またAP通信によると、AFP通信は、死者は少なくとも35人と伝えた。

爆発のあった場所は、外国人観光客が多く集まる場所であるため、各国のマスコミは外国人観光客への影響に注目している。

1日UTC午後5時51分(日本時間2日午前0時51分)のBBCによれば、オーストラリア外相は、少なくともオーストラリア人1人が死亡したと語った。いっぽうBBCによれば、地元の病院関係者は、少なくとも35人の外国人が負傷しているが、死者についてはいうことができないと語った。

NHKが日本時間の2日未明に伝えたところによると、日本人男性1人を含む22人が死亡、122人が負傷した模様。共同通信が日本時間の2日午前6時に伝えたところによると、25人が死亡、100人以上が負傷した模様。共同通信は他の報道機関の情報として、日本人女性1人が含まれている可能性があると伝えた。

またAP=共同によれば、デンパサールのサングラ病院の報道担当者プツ・プトラ・ウィサダ氏は、同病院で11人が死亡、38人が負傷していると語った。38人の内訳はオーストラリア人8人、アメリカ人2人、インドネシア人28人。

また、インドネシア国営ANTARA(National News Agency)は現地時間午前0時23分(日本時間午前2時23分)現在、少なくとも21人が死亡し、6人の身元を確認したと伝えている。

英語版の翻訳を含みます。

出典 編集

日付はすべて各報道機関の現地時間です。
  • 「NHK・BSニュース」、日本放送協会、2005年10月2日午前5時5分。