ハンス・キュング教授とローマ教皇が会談

【2005年9月27日】 著名なカトリック神学者でありローマ教皇庁への批判者としても知られるハンス・キュング教授と、ローマ教皇ベネディクト16世の個人的な会談が、先週24日の土曜日ローマ郊外で突然実現した。26日、バチカンが発表した。

各報道機関によれば、26日、バチカンのスポークスマンであるナヴァロ=ヴァルス枢機卿が会談とその詳細を明らかにした。それによれば、会談は友好的な雰囲気のなかで行われた。会談は教皇の別荘があるローマ郊外のカステル・ガンドルフォで行われた。ベネディクト16世とキュング教授は両者が対立する基本的な教義の問題を話題にしなかった。今回の会談が教会の教義についての論争になるのを避けることを両者が示し合わせたもの。会談では世界規模の倫理の問題や、科学的理性と信仰の関係などの、他の神学上の問題について意見が交換された。

キュング教授は現在77歳。スイス出身で、現在はドイツのチュービンゲンに住む。諸宗教の対話を提唱する代表的なカトリック神学者のひとりとして世界的に著名である。カトリック教会の現体制への批判でも知られ、教皇不可謬説を批判したため、1979年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によりカトリック神学の教授資格を停止された。保守派として知られるヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿が現教皇に選出された2005年4月の教皇選出選挙においては、選挙結果について公然と失望を明らかにしている。一方、ラッツィンガー枢機卿(当時)も、キュング教授の著作を批判してきた。

欧米を中心に各報道機関は両者の歩み寄りに注目している。しかしオーストリアのスタンダード紙などによれば、バチカンはこの会談が個人的なものであると強調している。ナヴァロ=ヴァルス枢機卿は、2人が第2ヴァティカン公会議以来の知人であり、かつてチュービンゲン大学神学部の同僚であったこともあることに言及した。プラウダは、若いラッツィンガー師をチュービンゲン大学に招聘したのが、キュング教授であったとしている。

ドイツ語ウィキニュースの翻訳に基づきます。

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