ネパール、国王の法案拒否権を剥奪、儀礼的な存在に
【2006年6月15日】
ネパールの下院は10日 (UTC+5:45)、国王の法案についての拒否権、国会の招集、閉会などの権限を廃止し、最高権力機関を下院とする法案を全会一致で可決した。
これは、4月21日に、ギャネンドラ・ビール・ビクラム・シャー・デーヴ国王が行政権を返還すると声明を発したことを受けたものである。5月に国王による軍の統帥権、徴税免除(ロイター)などの権限が廃止されており、産経新聞によれば今回の可決で国王は完全に儀礼的な存在となったと、政党関係者は話している。また、APIによれば、議会の広報担当は、「国王から独立して新しい法律を起草したり施行したりすることができる」と話した。また、最大政党の「ネパール会議派」の議員は、「議会で国王や王室を批判することができるようになった」と話した。
Zee Newsによれば、ギリジャ・プラサド・コイララ首相は14日、国の平和を維持するために、国王の儀礼的な役割が必要だと語った。君主制の廃止を主張しているネパール共産党毛沢東主義派との対話が15日以降に予定された。
関連記事
- 2006年4月:ネパール・首都カトマンズで大規模デモ
- 2006年4月:ネパール国王が行政権返還、首相選出へ
出典
- 『ネパール下院、国王の法案拒否権はく奪』 — 朝日新聞, 2006年6月11日
- 産経新聞 『ネパール下院に最高権力』 — yahoo NEWS, 2006年6月12日
- BINAJ GURUBACHARYA/AP "Nepal Parliament Strips King's Veto Power"。Forbes、2006年6月11日。
- "Without an army, Nepal king loses parliament roles"。ロイター、2006年6月11日。
- "King should have ceremonial role: Koirala"。Zee News、2006年6月14日。
- "Nepal MPs cut king's veto powers"。BBC、2006年6月11日。