トリインフルエンザ、ヨーロッパの8ヶ国に拡大—EU、家禽に制限

【2006年2月18日】

ウイルスを保有し運ぶとされているニワトリ(資料)(CC-by-sa)

これまで発生が確認されていなかった8ヶ国で新たにトリインフルエンザが発生したことを受けて、ヨーロッパ各国の当局は養禽農場に制限を発令した。ウイルスは予想よりはるかに早く渡り鳥から発見された。

ギリシャブルガリアイタリアオーストリアドイツの野生の白鳥が強毒性のH5N1型のウイルスで死んだことが、検査によって確認された。ウイルスへの感染が疑われるケースが、他にスロベニアクロアチアデンマークでも発見された。

ヨーロッパの衛生当局は、アフリカからヨーロッパへ移動する野鳥が西ヨーロッパにこの病気を運ぶのは、春だろうと予想していた。しかし、強い寒波のために白鳥がロシアウクライナから黒海へ移動したと思われる。

ウイルスに感染した鳥と接触したことにより、世界中で91人が感染し死亡しているが、ヨーロッパ衛生当局がもっとも憂慮していることは、飼育されている家禽の間で大流行が起こり、地域の家禽産業を破壊することである。H5N1型トリインフルエンザウィルスは鳥への感染力が強く、致命的である。一度の流行の間に何万羽もの鳥を殺す可能性があり、とても広範囲のすべての鳥類が、病気の蔓延を防ぐために殺されることを余儀なくされる。

まだ西ヨーロッパでは、飼育されている家禽や人間に感染しているとは考えられていない。当局は、徹底的なチェックを行い続けている。

デンマーク、スウェーデンオランダなどヨーロッパ内の多くの国では、屋内に飼育している鶏を飼っている。ドイツとハンガリーでは、死んだ白鳥から2マイル (3.2km) の保護地域を設けて、家禽は屋内に置かれ、地域外への肉の移出は禁じられた。

欧州連合 (EU) は、家禽製品に関する禁止令を強化した。現在、25の加盟国に対し、未処置の鳥の羽の輸入を禁止している。また、EUは、トリインフルエンザ監視計画の一部として、6万羽の野鳥と30万羽の飼育している鳥の検査を望んでいる。

フランスでは、政府が市民に、全土の飼育している家禽を屋内にとどめておくように求めた。飼育されているアヒルはワクチンの接種を受ける予定である。

この記事は英語版ウィキニュースからの翻訳です。

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