テレビ朝日、マクドナルドの不祥事報道で短絡的な演出 BPO意見

【2008年2月5日】 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、ハンバーガーチェーン・日本マクドナルドによる商品の調理日改ざん事件について取り上げたテレビ朝日の報道情報番組「報道ステーション」について、2月4日に意見書を公表した。

意見書にある経緯によると、この問題の番組は2007年11月27日に放映されたもので、元店長代理の女性に制服を着せた上でインタビューし、調理日改ざん事件を証言させたがその10日後に司会の古舘伊知郎氏は「(制服着用の演出は)間違ったやり方だった。申し訳ありません。」として訂正・謝罪を行っている。

中日スポーツは「安易な短絡的映像至上主義で慎重さに欠ける」として意見の内容を採り上げ、同局への反省が求められた意見書であることを報じた。

朝日新聞によると、検証委員会はテレビ朝日に対してこの演出の理由などについて質問状を送ったが、その返答に対しては「質問に正面から向き合って、番組制作関係者の実感や肉声から発せられたものとは言いがたい」と批判し、更に「視聴者にわかりやすい表現をしたかった」という回答にも「映像が作りやすくてショッキングと判断したからでは」と指摘。また、お詫び放送まで10日間もかかったことに対して「理解に苦しむ」としている。この日、報道ステーションではこの問題を伝えた後で古館氏が「常に初心に戻りより一層努力する」とコメントし、テレビ朝日広報部も「(BPOの)意見を真摯(しんし)に受け止めて、今後の放送に活かします」と話している。

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