テゼ共同体創始者、ブラザー・ロジェ殺害される

【2005年8月22日】

テゼがあるフランス・ソーヌ=エ=ロワール県の位置

フランスの超教派キリスト教団体「テゼ共同体」創始者のブラザー・ロジェ(90)(本名ロジェ・ルイ・シュッツ=マルソーシュ)が、8月16日、殺害された。フランス中西部のテゼにある共同体の夕べの祈りの会で、出席していた女性に刺殺されたもの。テゼ共同体によると、ブラザー・ロジェは刺されてのちまもなく死亡した。また女性は精神的な問題を抱えていた。複数の報道機関が、この女性は推定36歳で、ルーマニア出身であると伝えている。

テゼ共同体の複数の証言者によると、この女性は、夕べの祈りの最初の賛美歌の間に、ブラザー・ロジェの周りに座っていた子供たちに加わったという。関係筋によれば、現地時刻午後8時45分(欧州中央夏時間。UTC+2。日本時間17日午前3時45分)頃、女性はブラザー・ロジェをナイフかそれに似た凶器で刺した。車椅子に座っていたブラザー・ロジェは、出血した状態で祈りの場から運び出された。

医師であるテゼのブラザーの一人は、ちょうど夕の祈りに参加していた別の医師とともに、テゼの創立者の命を救うべく試みたが功を奏せず、刺された数分後にブラザー・ロジェは息を引き取った。

共同体はこの衝撃的な出来事に対して、テゼらしい方法で対処している。シスターたちが、事件を直接目撃することになった訪問者のケアにあたる一方、若者がブラザーたちに代わって役割を担っている。教会の一部は封鎖されたものの、テゼの典礼による夕の祈りは引き続き行われている。

ブラザー・ロジェは、1915年スイス生まれ。代々プロテスタント改革派に属する家に生まれるが、キリスト者が教派超えて一致する信仰共同体の創設したことで知られた。1940年フランスのソーヌ=エ=ロワール県テゼで祈りと労働の生活を始め、1949年にエキュメニカルな(教派を超えた)男子の観想修道会、テゼ共同体を創立した。テゼ共同体では、主にカトリックおよびプロテスタント諸派の修道士たちが共に生活をしている。修道士たちの出身は25か国以上にわたる。また、テゼは訪問者を迎え入れることでも知られている。訪問者は主に若者で、短期滞在する。テゼ共同体と連帯して、日本を含め、世界で祈りの集いが行われている。

後継者には、ブラザー・ロジェの生前に、8年前からドイツ出身でカトリックのブラザー・アロイスが指名されていた。

英語版の翻訳を含みます

出典


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