チャンピオンズカップの第16回は12番人気サンビスタとミルコ・デムーロ騎手のコンビが勝利
【2016年1月6日】
2015年12月6日(日)に中京競馬場の第11競走で「第16回チャンピオンズカップ」が行われ[1]、出走16頭中で12番人気のサンビスタ(牝6歳)が勝利した[1]。騎手はミルコ・デムーロでサンビスタの管理調教師は角居勝彦[1]。サンビスタの馬主はヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンで[1]、サンビスタの生産牧場はグランド牧場[1]。サンビスタは本賞金9400万円を獲得した[1]。なお、中央競馬のダートグレード競走GIにおける牝馬の勝利は、ジャパンカップダートやフェブラリーステークスも含め、今回のサンビスタが初めての勝利となった[1]。
ミルコ・デムーロ騎手はサンビスタとの実戦は今回が初めてであったが、弟のクリスチャン・デムーロ騎手からサンビスタは真面目な馬であるとの情報を事前に得ており、金曜日にゲート練習を行った際には良い手ごたえを感じとっていたという[2]。直近のGIでは戦績が振るわなかったこともあり、デムーロ騎手は「今日の勝利はうれしい」と格別に喜んだ[2]。角居調教師からも「ミルコが上手に乗ってくれた」と真っ先にねぎらいの言葉がかけられた[2]。
サンビスタの陣営は、角居調教師、サンビスタの担当を務める障害競走の元騎手であった嘉堂信雄調教助手、それから前川調教助手の3者により現場で観戦した[3]。ゴール前でサンビスタの姿を確認した嘉堂助手はゴール前100メートル付近ですでにサンビスタの勝利を確信したというものの、前川助手はそこまで早くは勝利を確信できなかったので、最後まで抜かれないかどうか緊張しながら見ていたという[3]。前川助手は角居厩舎で一番ハードなトレーニングをサンビスタに課してきたと、努力が実ったことを感慨深く見つめた[4]。角居調教師はダート馬の調教過程において「牝馬だとフケ(発情)とかがあるので、調教を強くしたり弱くしたりして、ご飯を食べるための対策をしてあげる。」と牝馬特有の難しさを語ったが、サンビスタは牝馬にあって体調の変化も大きくは崩れず調教もやり易かったという[5]。
チャンピオンズカップを制した副産物として角居調教師には、平成27年度の「第36回中京競馬記者クラブ賞」が贈られることが決定された。その理由として中京競馬記者クラブ側は「中京開催で2割を超える勝率、4割近い連対率、6割近い複勝率という驚異的なアベレージをマークした上、チャンピオンズカップにおいてサンビスタで優勝したことを高く評価しました」と戦績を積み重ねたことを評価した。角居調教師は「牧夫時代にお世話になったグランド牧場生産のサンビスタで勝てたことも至福の出来事です。」と喜びを表した[6]。
馬主であるヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンとしての中央競馬G1勝利は、1989年のエリザベス女王杯のサンドピアリス以来の出来事であるという[7]。同クラブ東京事務所の釜谷恵子代表(54)は「会員さんに貢献できてうれしい限りです」とサンビスタとクラブを支えてきた会員への思いを表した[7]。サンビスタは本来2015年の2月には引退させる予定であったという[7]。
生産牧場であるグランド牧場の伊藤佳幸社長は中京競馬場に来場してサンビスタを観戦した[8]。さらに、北海道日高郡新ひだか町に所在しているサンビスタのふるさとであるグランド牧場でも、家族や従業員ら15人によって今回のチャンピオンズカップが観戦された[8]。サンビスタの勝利が決まった瞬間には仲間で喜びを分かち合う姿が見られた[8]。さらには新ひだか町の酒井芳秀町長や農協組合長ら関係者も集まり、サンビスタの勝利を総出で祝った[8]。グランド牧場関係者によると、サンビスタは「牧場時代から品があって目立つ存在」であったという[8]。グランド牧場の伊藤佳幸代表取締役(59)は、角居師がかつてグランド牧場で働いていたことを鑑みて「そういう縁だったんでしょうかね」と、かつての牧夫がG1制覇をもたらしたことを喜んだ[9]。グランド牧場の生産馬がG1制覇を挙げたのは、2005年に天皇賞(春)を制したスズカマンボ以来になるという[9]。
角居陣営はサンビスタの12月29日の東京大賞典への出走も想定していたが[10]、オーナー側とも協議した結果サンビスタはチャンピオンズカップをもって引退させ、北海道新ひだか町にあるグランド牧場の真歌繁殖場で、繁殖牝馬となることが決定された[10]。グランド牧場の社長夫人である伊藤紀子は「サンビスタの長所は根性。今度はその長所を生かして、良いお母さんになって欲しいです」と語り、サンビスタの第2の馬生に思いを馳せた[11]。
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チャンピオンズカップ当日に中京競馬場内へ出店した「すなば珈琲」の移動販売車 CC BY-SA 4.0
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チャンピオンズカップを盛り上げるべくデコレーションされたゴール板 CC BY-SA 4.0
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本馬場へ入場する2番人気のホッコータルマエ CC BY-SA 4.0
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唯一の国外からの挑戦馬となった14番ガンピット CC BY-SA 4.0
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1周目の状況 CC BY-SA 4.0
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2周目ゴール板前の状況 CC BY-SA 4.0
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チャンピオンズカップの優勝レイと馬着を着装した勝利馬サンビスタ CC BY-SA 4.0
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勝利馬サンビスタと嘉堂信雄調教助手 CC BY-SA 4.0
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第16回チャンピオンズカップの表彰式 CC BY-SA 4.0
情報源
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 谷川善久 『過去GI成績 - 第16回 チャンピオンズカップ』 — 日本中央競馬会,
- ↑ 2.0 2.1 2.2 『【チャンピオンズC】サンビスタ「牝馬初のJRAダートGI制覇」角居調教師が明かした勝因』 — 東京スポーツ, 2015年12月7日
- ↑ 3.0 3.1 花岡貴子 『チャンピオンズC一夜明け、サンビスタ前川助手「可愛くて真面目。偉い馬です」』 — netkeiba.com, 2015年12月7日
- ↑ 前川和也 『よくがんばったねサンビスさん…@おにいさん』 — 角居勝彦, 2015年12月7日
- ↑ 南庄司 『【甘辛戦記】角居師の快挙!牡馬の壁破った新女王』 — 夕刊フジ, 2015年12月7日
- ↑ 『平成27年度の中京競馬記者クラブ賞が決定 [News]』 — 日経ラジオ社, 2015年12月20日
- ↑ 7.0 7.1 7.2 『【チャンピオンズc】サンビスタ馬主・釜谷さん「夢のようです」』 — スポーツニッポン, 2015年12月7日
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 『史上初の牝馬優勝』 — 日高報知新聞, 2015年12月8日
- ↑ 9.0 9.1 『【チャンピオンズC】サンビスタ生産・グランド牧場、父マンボ以来G1』 — スポーツニッポン, 2015年12月7日
- ↑ 10.0 10.1 『角居厩舎G1牝馬・サンビスタとラキシスが引退、繁殖入りへ』 — スポーツニッポン, 2015年12月17日
- ↑ 『2015年12月06日 チャンピオンズC G1』 — 日本軽種馬協会,
外部リンク
- JBISサーチ - サンビスタ
- netkeiba.com - M.デムーロ - 年度別成績
- Team Sumii オフィシャルブログ
- 株式会社ユニオンオーナーズクラブ - 歴代活躍馬
- (有)グランド牧場