ジャストシステム勝訴—知財高裁

【2005年10月1日】

日本経済新聞社などの報道によると、松下電器産業(本社・大阪府門真市)がジャストシステム(本社・徳島県徳島市)を訴えていた控訴裁判で、知的財産高等裁判所の篠原勝美裁判長は、東京地方裁判所の判決を取り消し、請求を棄却した。

この裁判は、ジャストシステムのワードプロセッサーソフト「一太郎」と画像ソフト「花子」のヘルプ機能のうち、ソフトウェアのヘルプモードボタンをクリックした後で、ある機能を実行するための別のボタンをクリックすると、その機能の説明を表示するいわゆる「バルーンヘルプ」機能が、松下の、1989年10月31日に出願し98年に登録された特許(特許番号第2803236号)を侵害するとして松下が訴えていたもの。

一審の東京地裁の判決では松下の請求を認め、「一太郎」、「花子」の製造、販売の差し止めと在庫の廃棄を命じた。しかし仮執行を認めなかったため、製造、販売は続けられていた。

今回の第二審では、アメリカ合衆国のヒューレット・パッカード社の「HPニューウェイブ環境」というソフトが、松下の特許の出願より前に公知であったという主張をジャストシステムが追加していたが、判決では「文献に記載されていたアイデアと、それまでに普及していた技術を組み合わせれば、松下の特許の内容は容易に発明できた」と指摘した。

知財高裁は東京高等裁判所の特別支部として今年4月に新設された。この裁判は知財高裁で、裁判官5人で審理する大合議が出した初めての判決である。裁判長は篠原勝美所長が務めた。

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