【2005年7月21日】

藤本製薬(本社・松原市)は、7月20日、厚生労働省で会見し、サリドマイドを血液のとされている「多発性骨髄腫」の治療薬として、来る8月をメドに日本の14都道府県・22の病院で治療実験(治験)を行うことを明らかにした。サリドマイドはかつて赤ちゃんなどに深刻な健康被害を与え、国内での販売が中止されていた。

サリドマイドは催眠鎮静剤として1950年代を中心に使用されたが、妊婦の服用により胎児(赤ちゃん)に重い障害が出る健康被害が相次ぎ、1962年を最後に日本では販売が中止された。しかし癌の治療薬としての有効性が注目され、個人的な輸入が急増し、患者の団体からも早期に承認するよう求めていた。一方、サリドマイド薬害の被害者らは慎重に扱うように求めている。

藤本製薬の説明では22の病院から治験の内諾を得ており、1つの病院につき2名程度を選び、4ヶ月から1年間程度投与を行って、治療効果などを検証することにしているが、実施する機関・患者の個人氏名などは公表されない。また治療者の公募は行わない。藤本製薬では「妊娠検査や薬剤の管理を徹底し、安全性確保のため万全の体制で治験をする」と話している。

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