サッカー・東京ヴェルディ、事実上Jリーグ傘下に - リーグ関連会社が運営に当たる

【2010年7月1日】 サッカーJ2リーグ東京ヴェルディは6月28日(UTC+9 以下同)、東京ヴェルディホールディングスが保有していた株式98.8%をJリーグ関連会社の「株式会社Jリーグエンタープライズ」に譲渡したと発表した。

毎日新聞によると、東京ヴェルディは6月29日開催の臨時株主総会で株主変更をした上で、崔暢亮会長、渡貫大志社長ら役員3人が辞し、Jリーグの羽生英之事務局長が新社長に就任した。ヴェルディを巡っては2009年に日本テレビの経営撤退後、OB有志によって作ったヴェルディホールディングスが経営を引き継いだものの、スポンサー収入が得られない状態となり経営が不安定となったので、5月に行ったJリーグ臨時理事会で6月末までに経営状況が改善されない場合はJリーグから資金投入して運営することを決めていた。また今後の運営資金の不足分4億6000万円分はJリーグの公式戦安定開催基金から投入する方針で、残りの試合を消化しつつ新しいスポンサーを探す。

日刊スポーツによると、鬼武健二チェアーマンは「今シーズンを全うするための超法規的な処置で、この体制は今シーズン限り」としている。また羽生新社長は「来年へ向けて環境を整えて次に(経営を)やっていただける方を探したい」として、一応Jリーグ規約の退会期限に当たる9月30日をめどとして新スポンサーを探すこととなるが、「見込みがあれば(スポンサー探しの)期限延長をお願いしたいが、11月までには決着する必要がある」としている。もし新たなスポンサーが見つからないと今年度で解散・消滅する可能性もある。

また日刊スポーツの別記事によると、東京ヴェルディの経営権取得へ向けて交渉を進めていたネクシィーズは同社ホームページ上でヴェルディとの交渉が決裂したことを明らかにした。これは経営権取得を前提に交渉をしてきたが、ヴェルディ側から

  1. 株主ではなく、協賛企業として2億円を提供する
  2. 株式保有は最大30%まで
  3. 現在の経営陣はそのまま維持

この3つを条件に提示したことで経営取得はできないと判断したが、Jリーグに経営権が移行した場合はネクシィーズとヴェルディの交渉を再開する可能性があることを示唆している。

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