サッカー・大分トリニータがJリーグ開催基金の融資申請へ J1在籍クラブ初

【2009年11月15日】 読売新聞九州版によると、サッカーJ1リーグ大分トリニータ溝畑宏社長は11月11日(UTC+9 以下同)、Jリーグ公式試合安定開催基金からの借り入れを11月12日にも申請することを明らかにした。

溝畑社長の説明では、トリニータは2010年はJ2リーグに降格することが決まり、その成績不振と経済不況の影響が出ることから、2009年度の予算から入場料約6000万円と広告スポンサー料約2億円が減る見込みであり、累積赤字が11億円に膨らみ資金繰りが悪化することが避けられなくなったとしている。

読売新聞の別の記事によると、溝畑社長は「責任は私にある。ご心配をかけて申し訳ありません」と謝罪した上で「この経済状況で地方のチームが大口スポンサーを確保するのは困難。頼れる親会社もなく、融資の申請は苦渋の決断だった」と今回の申請について話している。

日刊スポーツによると、開催基金を利用するのはJ1リーグ所属チームとしては初で、申請額は公表していないが2億円程度とされている。11月17日に行われるJリーグ理事会で承認されればトリニータに対する融資が行われる。この基金はチームの財政上の問題で公式戦運営に支障をきたすことを防ぐために設けられており、2005年に設けられて以後ザスパ草津FC岐阜の2チーム(共にJ2リーグ)がこれを申請・融資を受けている。なおこれを利用した上で返済期限までに返済できない場合、J2リーグ所属チームはJ1リーグへの昇格が認められない。またJ1リーグのチームもJ2リーグ降格となる。

スポーツニッポンによると、トリニータは2010年の運営規模について「経営のスリム化を図るため、(2009年度の22億円から)10-12億円程度になるのは仕方がない」としており、トップチームの強化費用も2009年の11億円から4億円程度に激減することが必至という。また開催基金への1年での完済と債務超過5億6000万円の解消もJ1復帰のためには必要な条件であるため、「1年でのJ1復帰」が厳しいとする見方もある。

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