コニカミノルタ、カメラ事業から完全撤退へ

【2006年1月20日】

毎日新聞の1月19日の報道によると、日本のカメラ・精密機械メーカー大手・コニカミノルタホールディングスは同日、前身の企業創業時から製造・販売を続けてきたカメラ・写真関連(フォト)事業から3月末をメドに完全に撤退することを公表した。

報道では、旧・コニカ(小西六写真工業)は1941年に日本で初めての国産カラーフィルム「サクラ天然色フィルム」を開発。1977年には世界初のオートフォーカスカメラ「ジャスピンコニカ」を発売している。また旧・ミノルタカメラもオートフォーカス一眼レフカメラ「αシリーズ」を看板商品にのし上げるなど、両社ともカメラの開発・製造は特に国内外から高い評価を得ていた。2003年8月に両社が経営統合し現在の持株会社として移行している。

しかし、デジタルカメラ事業の開発が遅れ、2005年3月期決算において、カメラ部門は73億円、写真関連事業に於いても14億円の営業赤字を計上しており、今後成長が期待される一眼レフデジカメでも、同社がこれまでに培った技術を活かしきれず、業績好転は難しいと判断し今回のカメラ・写真関連事業からの撤退を決定した。

なお、今後同社はコピー機等の事務用品や光学機器部門に特化して経営の建て直しを行う。またカメラ部門は一眼レフデジカメに関しては2005年に業務提携を結んだ日本のオーディオメーカー・ソニーに事業譲渡し、アフターサービスもソニー側で受け付ける他、写真フィルムも商品を絞り込んで製造を続け2007年3月で完全に製造停止にする。また、事業の撤退に伴って2007年9月までに全世界にあるグループ企業の従業員33000人の1割以上に当たる3700人を人員削減し、その内の500人は希望退職者として募集するとの事である。岩居文雄社長は「創業時から続いてきた看板事業から撤退するのは残念だが、新しいブランド・会社を作る気持ちで頑張る」と記者会見でコメントしている。

なお、日本経済新聞によると、コニカミノルタホールディングスの社長に4月1日付で太田義勝副社長が就任すると発表した。岩居文雄社長が取締役会議長に就任、植松富司取締役会議長は辞任する。

写真業界では、ニコンがフィルムカメラから大幅に撤退するという報道(朝日新聞)が13日にあったばかり。

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