グッドウィル、違法派遣で事業停止へ

【2007年12月22日】 時事通信によると、日雇い人材派遣大手・グッドウィルが派遣の禁じられている業務に違法な派遣を行っていたとして、厚生労働省が事業停止の命令を出す方向で検討していることが12月22日明らかになった。

読売新聞によると、直接の問題は2007年7月に偽装業務の状態で東京都の港湾地区に派遣された男性が、労働者派遣法で禁止されている港湾での荷物の積み下ろし作業に従事していたとともに、派遣社員の安全衛生の管理を行うために義務付けられている「派遣元責任者」もいなかったことが発覚した。また、厚生労働省の実施した実態調査でも各地の支店で違法派遣が恒常的に行われていた。

また朝日新聞、時事によると、グッドウィルは過去に2005年6月、派遣が禁止されている建設業務に派遣をして東京労働局からの事業改善命令の処分を受けたことや派遣先企業を一旦経由した上で改めて別の企業へ派遣を行う「二重派遣」を行った疑いがあることを重視し、長期の事業停止をさせる必要があると判断した。

読売によると、これを受けて厚生労働省は年内にグッドウィルに対し処分の内容を伝えて、弁明機会を与えた上で正式な処分を下すとしている。事業停止は全国の約800の支店が対象で、事業の停止は長くて数ヶ月。またこの期間中は新たな派遣労働契約が出来なくなる。朝日の別記事によると、東京労働局はグッドウィルに対し12月19日付で通知を行い、2008年1月8日までに同社からの弁明を受けた上で正式に処分を決定するが、グッドウィルは基本的に争わずに処分を受け入れる方針である。処分内容としては浜松北など89箇所の支店に対し4ヶ月間の事業停止やグッドウィルに対する全ての派遣事業の2ヶ月間の事業停止などであり、行われれば派遣業大手の企業に対する処分としては最も長くなる。

読売によるとグッドウィルは2007年11月末現在で登録者291万人。そのうち1日に付き3万人程度を派遣している。派遣先は7万社にも及ぶ。

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