オランダのバルケネンデ内閣、移民議員の国籍剥奪問題で総辞職
【2006年6月30日】
毎日新聞などによると、オランダのバルケネンデ首相は29日、内閣総辞職を発表した。移民議員の国籍剥奪をめぐって、連立与党の「民主66 (D66)」が政権を離脱したことがきっかけ。
毎日新聞や朝日新聞によると、ソマリア移民のアヤーン・ヒルシアリ元議員(自由民主党=連立与党)は1992年、オランダに亡命したが、その際に偽名を使用していた事が発覚、今年5月にリタ・フェルドンク移民相(自由民主党)が国籍剥奪を決めた。このため、アヤーン・ヒルシアリ元議員は議員を辞職していた。しかし国内の反発が高まったため、今月27日に移民相は元議員の国籍の回復を決めた。これに対し移民相の強硬姿勢にかねてから反発していたD66が移民相の辞任を要求したが、これを首相は拒否した。D66は内閣不信任案を提出したが否決されたため、党の閣僚2人が辞任して政権を離脱した。
共同通信やExpaticaによると、首相は30日にもベアトリクス女王に総辞職の意向を伝え、辞任する予定。
出典
編集- 福原直樹 『オランダ:内閣を総辞職する意向表明、秋にも総選挙』 — 毎日新聞, 2006年6月30日
- 『オランダ内閣が総辞職へ 元議員の国籍剥奪問題めぐり』 — 朝日新聞, 2006年6月30日
- 『オランダ内閣総辞職を発表 連立崩壊、10月にも選挙』 — 共同通信社, 2006年6月30日
- "Dutch coalition falls after resignation of D66 ministers"。Expatica、2006年6月29日。
- 林路郎 『移民元議員の国籍はく奪、オランダ政府が撤回』 — 読売新聞, 2006年6月27日