エチオピア・エリトリア国境紛争、緊張続く

【2005年11月15日】

エチオピアエリトリアの国境を巡る緊張が、先月からふたたび高まっており、国際社会は懸念を表明している。読売などによれば、両国国境沿いの緩衝地帯で両国が軍隊を移動させたことを国連関係者が確認している。これに対し、日経などによれば、国際連合安全保障理事会は、国連平和維持活動(PKO)作業部会議長である日本の大島賢三国連大使を、6日から両国に特使として派遣し、関係者との協議にあたらせた。

先月エリトリアは、緩衝地帯上空の国連ヘリコプターの飛行を説明なしに禁止した。この措置は現在も続いている。このため国境付近の緩衝地帯に展開する平和維持部隊・国連エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)は活動の支障を訴えている。15日のアンゴラプレスによれば、UNMEEは、飛行禁止の影響により監視活動能力が55%ないし60%に縮小されているとしている。

エリトリアは1993年にエチオピアから独立したが、両国の間では、1990年代後半に国境をめぐる紛争がおきている。外務省資料によれば、両国は2000年に停戦し、2004年に国境委員会が地図上の国境を画定した。しかし日経によれば、エチオピアは国際調停委員会が2003年に確定した国境を認めず、エリトリア領とされたバドメ村の帰属を主張し、対立が続いている。このことについて、エリトリアは「エチオピアは国際的に認められた国境線を尊重していない」として不満を表明している。

国際社会は両国の紛争再開を懸念している。一方、両国はともに、自国の行動は軍事的攻撃を目標とするものではないとする回答を行っている。国連ニュースセンターなどによれば、大島国連大使は、2日間の日程で両国を訪問した。7日はエチオピアの首都アディスアベバでエチオピアのメスフィン外相をはじめとする当局者と会談し、8日は空路エリトリアの首都アスマラに入り、エリトリア当局者と会談するとともに、アスマラに本部をおくUNMEEを現地視察した。大島大使に対し、エチオピア外相は、移動は訓練目的であること、エチオピアからの先制攻撃は「ありえないこと」であると回答し、エチオピアからの紛争再開はないとする姿勢を強調した。その一方で、アンゴラプレスによれば、エチオピア当局者は、2個ないし3個師団を国境地帯で移動させたことを認める一方、これを訓練のためとしている。また13日のBBCはエチオピアが国境付近に塹壕などの防御施設を建設していることを報道し、軍備の増強が行われているとする観測を示した。一方、14日のメイル&ガーディアンによれば、エリトリアは部隊を多数移動させたとする指摘を否定し、「地域開発と農業のための移動」であるとしている。15日のアンゴラプレスによれば、先週からエリトリアの民兵が収穫のためとして移動している。11月はエリトリアでは収穫の時期であるが、UNMEEは飛行禁止措置により、エリトリアのこの主張を検証することは不可能であるとしている。

国連ニュースセンターによれば、UNMEE関係者や大島大使などの国連関係者は、両国国境の緊張は依然高いと指摘している。11日、UNMEEのゲイル・ビンドレー=ターナー=サント報道官は、定例記者会見で、両国間に依然として緊張があると指摘した。また視察から帰った大島大使は11日、国連安保理に両国の関係は緊張しており、重大な懸念があると指摘する報告書を提出した。

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