ウニの全ゲノム配列解読が終了

【2006年11月10日】

ゲノム解読に用いられたムラサキウニ Strongylocentrotus purpuratus(写真:NOAA

欧米の研究者らからなるウニゲノム解読コンソーシアムは、ウニの全ゲノム配列解読を終了し、10日付の米科学雑誌サイエンスに報告した。

ゲノムは生物の全遺伝情報を含んでおり、生物種によって異なる。サイエンス誌での報告によれば、ウニのゲノムサイズは8億1,400万塩基対、推測される遺伝子の数は2万3,300だった。ウニゲノム解読コンソーシアムは、アメリカ合衆国をはじめとして欧米の11の国、78の研究機関から多数の研究者が参加している。

ウニは1世紀以上に渡って発生生物学モデル生物として用いられてきた。ウニのゲノムサイズはヒトの約4分の1だが、遺伝子の数はほぼ同じである。発生生物学のモデルとしてはショウジョウバエ線虫が良く用いられているが、ウニはよりヒトに近い棘皮動物であり、ウニの遺伝子の70%がヒトと共通していた。ウニゲノムの解読は、ヒトを含む脊索動物がどのように進化してきたのかを知る手がかりとなる。

読売新聞によれば、脊椎動物では視覚や嗅覚に関係している蛋白質の遺伝子が、視覚・嗅覚をもたないウニにも含まれていることが解析により確認された。

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