ウナギ減少、価格上昇
【2005年7月27日】 7月28日は土用の丑の日だが、今年、日本産のウナギ(ジャポニカ種)の流通量が平年より4割程少ない660トン余りに減っている。小売価格は例年より1–2割高くなっている。
「中国産」と表示して小売りされているウナギは、ヨーロッパ原産のアンギラ種を中国が養殖、輸出したものだ。中国産は今年、養殖量を2倍に増やしたが、市場の全体量は去年を下回っている。
今回の減少は、もともと養殖用ウナギにする稚魚がとり過ぎにより減少しているという側面もあったが、今年は日本の太平洋側を流れる黒潮が蛇行しており、稚魚が日本までたどり着けなかったのも原因と見られている。以前からウナギ資源は、管理・保全策が不十分なため減少の可能性があるという指摘はあった。また、アメリカの野生生物取引監視団体トラフィックは、ウナギが絶滅する可能性を指摘している。
ちなみに、2種の特徴は、ジャポニカ種が味にコクがある一方、中国産のアンギラ種はやわらかく食べやすいなど。
出典
- 徳島新聞社 『鳴潮 7月25日』 — 徳島新聞, 2005年7月25日
- 琉球新報社 『国産ウナギ卸値、うなぎ上り 養殖用稚魚の漁獲減』 — 琉球新報, 2005年7月23日
- 四国新聞社 『ウナギの値段がうなぎ上り/稚魚不漁、絶滅の心配も』 — 四国新聞, 2005年7月21日
- 『ウナギ資源の管理現況と保全対策』 — 東京大学海洋研究所海洋生物資源部門,
- 「首都圏ネットワーク」。日本放送協会、2005年7月27日。