ウクライナ・カトリック教会、本部をキエフに移転

ウクライナ(詳細は「英語版」参照)

【2005年8月23日】

21日、ウクライナ・ギリシャ=カトリック教会が、本部をウクライナ西部のリヴィフ(リヴィウ)から首都キエフに移転した。ウクライナ東方カトリック教会は、正教会から分かれた教会で、カトリック教会に属するが、典礼は正教会と同じ形式によって行うもので、帰一教会、東方典礼教会とも呼ばれる。600万人の信徒をもつウクライナ・ギリシャ=カトリック教会は、東方典礼教会中最大の規模をもつ。

インタファックス通信によれば、この移転は21日の日曜のキエフでの礼拝に先立って発表された。また礼拝には、ウクライナ・ギリシャ=カトリック教会の最高責任者フサール枢機卿とギリシャ=カトリック教会の主だった聖職者に加え、ウクライナ正教会キエフ総主教座ウクライナ独立正教会の代表も参列した。

一方、このキエフを信仰の「揺籃の地」と呼んでいるロシア正教会と、同教会の庇護下にあるウクライナ正教会の信者は反発を強めている。キエフにはキエフ総主教座管轄下の教会とロシア正教会モスクワ総主教座の庇護下にあるウクライナ正教会が管轄する教会が並存するが、後者の信者を中心にするとみられる反対運動が起こっている。『カトリック・ワールド・ニュース』によればすでに、この移転がなされる前の17日に、キエフのヴァティカン大使館に反対デモが行われている。また複数の報道機関が、21日に発表があった後の反対デモについて伝えている。21日のデモでは、ウクライナ・ギリシャ=カトリック教会の本部建設予定地でデモが行われた。インタファックスによれば、デモでは十字架やイコンのほか、「我々は正教徒だ」「我々の国では帰一教会を拒否しよう」「ロシア・ウクライナ・ベラルーシでともに聖なるロシアを作ろう」などのスローガンを書いたポスターがかかげられた。

反発は信者だけではなく、ロシア正教会の高位聖職者からも起こっている。19日の『カトリック・ワールド・ニュース』によれば、移転に先立って、総主教のアレクシー2世は、この移転がカトリックと正教会の関係に重大な影響をもちえると述べた。またウクライナ正教会のウォロディミール府主教は、ローマ教皇ベネディクト16世に、この移転を取り消すように介入を求めた。

一方、『カトリック・ワールド・ニュース』によれば、フサール枢機卿は、移転が他の宗教団体への攻撃を意味しないと語る一方、移転の決定はウクライナ・ギリシャ=カトリック教会の教会会議でなされたもので、ローマ教皇の認可を必要としないとしている。

ウクライナ・ギリシャ=カトリック教会は、ブレスト合同における成立以来、ロシア正教会との対立関係にあり、1803年、当時ロシア帝国領だったキエフから、迫害を逃れ、当時ハンガリー=オーストリア帝国領だったリヴィフに拠点を移していた。リヴィフがソ連領となった第2次大戦後、ソ連によって活動が禁止され、教会施設がロシア正教会他に与えられた。朝日新聞によれば、1989年に合法化され、教会施設が返還されて以後、正教会と紛争関係にある。

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