イージス艦と漁船が衝突、漁船乗組員2人不明

【2008年2月23日】 西日本新聞によると、2月19日未明、千葉県野島崎の南南西40㎞の太平洋で、海上自衛隊第3護衛隊(京都府)所属のイージス護衛艦あたご」と千葉県勝浦市の新勝浦市漁協所属の漁船「清徳(せいとく)丸」が衝突する事故が起きた。漁船は船体が真っ二つに割れて、これに乗っていた乗組員の漁師2名が行方不明となっている。

行方不明となっているのは清徳丸の乗組員で勝浦市の漁師・吉清治夫(きちせい・はるお)さん(58歳)・哲大(てつひろ)さん(23歳)の親子。スポーツニッポンによると、現在捜索を行っている横須賀海上保安部は19日夕方、業務上過失往来危険の疑いであたごの艦内を捜索している。石破茂防衛大臣はあたごの乗組員がこの衝突前に右方向に灯火を見つけ、衝突する1分前に漁船と確認して後進しようとしたが、間に合わず衝突してしまったことを明らかにした。またスポニチと時事通信によると、あたごの艦首には衝突した跡があった他、第3管区海上保安本部(3管)の調べでは船体の損傷状況から、あたごは清徳丸と直角に近い角度で激しくぶつかったと見ている。清徳丸はFRP(繊維強化プラスチック)樹脂製である。

愛媛新聞によると、2月22日の3管の調べで、衝突前あたごの当直員が交代し、周囲の船に対しての目視とレーダー監視が手薄になってた可能性があることがわかった。衝突前の19日午前3時50分~4時の間に当直員10人が全員入れ替わっていたためで、当時交代に関わった20人から事情聴取している。

日経新聞と中日新聞によると、行方不明の吉清さん親子の家族・親族は2月23日、海上自衛隊の護衛艦で事故現場を訪れ、捜索・救助活動を見守るとともに、無事に帰還することを祈念して花束や千羽鶴日本酒を海にささげた。

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