イラク中部ムサイブで自爆攻撃、死者98人以上

【2005年7月17日】

ムサイブの位置(中央赤印)

イラク中部で、16日夜、大爆発が起き、少なくとも98人が死亡、約100人が負傷した。現場はバグダッドから南へ約60km離れた町、ムサイブ(ムサイイブ、Al Musayyib)のガソリンスタンド。燃料トラックの近くで爆弾を身に着けた男が自爆し、大爆発となった。

イラクにあるガソリンスタンドの多くは、茶や軽食などを提供する小店舗を備えており、それらの施設を利用する客で賑わうのが通例である。また爆発現場はムサイブの中心地に位置し、近くにはアパートやモスク(礼拝所)などがあるため、多数の市民が巻き込まれたとみられる。

AP通信によれば、爆弾テロ実行犯がガソリンスタンドに走り込み、身体に巻きつけた爆弾を爆破したときに、燃料トラックがゆっくり給油機に近づいてきた、と複数の目撃者が証言した。また警察は近所のアパートやモスク、商店などが爆発で破壊されたと語った。

ムサイブはシーア派イスラム教徒とスンナ派イスラム教徒が入り交じって住んでいる町で、「死の三角地帯」と呼ばれる地区に位置している。この地区が、バグダットからシーア派の聖地カルバラーおよびナジャフに向かう中間に位置し、シーア派の巡礼が多く誘拐また殺害されることからこの名称がある。

この地区では2月に125人の死者を出す爆弾テロがあり、それ以来の大きな被害となった。

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