イスラエルとヒズボラ、安保理決議を受け停戦

【2006年8月15日】

レバノン南部周辺の地図、青線が「ブルーライン」(CC-BY-SA-2.5資料)
空爆を受けた車、ベイルート(CC-BY-SA-1.0資料、7月20日)

イスラエルレバノンの武装組織ヒズボラなどとの戦闘(レバノン侵攻)は、11日(UTC-3、日本時間12日)の国連安全保障理事会の決議を受けて、14日午前8時(UTC+3、日本時間午後2時)から停戦となった。停戦後も一部で攻撃があったものの、おおむね戦闘が停止されたと見られている。

ロイターによると、今回の戦闘では、約1,100人のレバノン人と156人のイスラエル人が死亡した。停戦後、首都ベイルートの幹線道路では、南レバノンへ向けて帰宅する数千人の避難民の車が列を作った。

朝日新聞や国際連合広報によると、安保理決議は満場一致で採択された。決議には

  • ヒズボラによるすべての攻撃の停止
  • イスラエルによる攻撃作戦の停止
  • ヒズボラはレバノン政府の同意に基づかない武装をすべて解除
  • イスラエルは「ブルーライン」(国連の画定したイスラエル・レバノン国境[1])まで部隊を後退させ、代わりにレバノン軍が展開
  • 国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を1万5000人に増強し、活動期限を2007年8月まで延長(停戦をモニターする役割を負う)

などが含まれている。

朝日新聞によると、イスラエルは14日にも攻撃の停止を決定したものの、レバノン軍とUNIFILの展開が完了するまで、レバノン南部や周辺海域に部隊を置く方針だという。読売新聞によると、一方のレバノン政府とヒズボラも12日停戦に合意したが、ヒズボラ指導者ナスララ師はイスラエルの動き次第で反撃の可能性もあるとした。

また毎日新聞によるとナスララ師は停戦を受けて14日、イスラエルに対する勝利を宣言するとともに、レバノンが行おうとしている武装解除協議について批判した。

ロイターによれば、UNIFILの増強についてフランスなどは派遣の用意があるという。

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