イギリス、イタドリ駆除のために「タデ食う虫」を日本から輸入へ
【2010年3月11日】
イギリスの環境・食料・農村省は3月9日(UTC±0)、19世紀に日本から観賞用に持ち込まれたタデ科植物・イタドリを駆除するために、イタドリを餌とする虫を日本から輸入することを明らかにした[1][2]。同省によると[1]、植物駆除のための天然の除草剤として外国の虫を用いるのはヨーロッパで初のことであるという[1][2]。
イタドリは東アジア原産の多年草で、高さ1メートル程度まで成長する[1]。現在ではイギリス全土に拡大し、在来植物の生育を妨げるなど環境に重大な影響を及ぼしている[2]。また、アスファルトをも突き破って伸びるため[1][2]、道路やビルにも損害を与えており[2]、イギリス全体での被害額は駆除や補修の費用を合わせて[1]年間1億5000万ポンド(約200億円)におよんでいる[1][2]。
輸入する虫は、カメムシ目キジラミ科のイタドリマダラキジラミ[1]。専門家らが、イギリスに生息しないこの虫が汁を吸うことでイタドリを枯らすため、日本ではイタドリによる被害が少ないという点に注目[1]。この虫をイギリスの生態系に入れた場合の影響を[1]90種類以上の植物に対してテストし[2]、同省が問題なしとする判断を下した[1]ため、昨年7月より導入を検討し、今回の決定に至った[2]。
専門家の調査によると、イギリスのイタドリは日本の長崎県で見られるものと同種であるという。輸入する虫は熊本県で採取される[1]。
情報源
編集本ニュースは「共同通信」と「ロイター」の以下の報道を情報源としている。