アルバニア、ベリシャ元大統領が政権復帰

【2005年9月5日】

アルバニアの位置

アルバニア議会選挙(定員140)の結果が1日確定し、改選前の野党、民主党党首のサリ・ベリシャ元大統領(60)が、首相に指名された。4日、各報道機関が伝えた。プラウダによると、アルバニア大統領府は、3日、アルフレド・モイシウ大統領がベリシャ元大統領を首相に指名し、組閣を要請したと公式に発表した。組閣は10日以内に行われる。

選挙は7月3日に行われた。日本経済新聞(日経)によると、票の数え直しのため、議席の確定に約2ヶ月かかった。民主党が参加する中道右派野党連合が過半数の80議席を獲得した。2日のアルバニアの新聞「サウスイースト・ヨーロピアン・タイムス」紙によると、主要政党の議席は、野党連合では民主党が56議席を獲得し、共和党は11議席、人権同盟3議席、社会民主党は7議席となった。対する改選前の与党社会党は42議席にとどまった。

ベリシャ元大統領は、8年ぶりの政権復帰となる。1997年のねずみ講事件の後、総選挙で社会党に敗れ、同年6月大統領を辞任した。日経によれば、社会党政権では汚職が絶えず、今回の政権交代につながった。ベリシャ元大統領の政策課題として、読売新聞は、公約であった行政改革、汚職追放、外資導入を、日経は、北大西洋条約機構欧州連合(EU)加盟を挙げている。EU加盟交渉の開始には政治的・経済的条件を満たす必要があり、GNPが年率6から8%と経済成長を続けているとはいえ、いまだ一人あたりGDP1,560米ドル(2002年)とヨーロッパの最貧国であるアルバニアにとっては、大きな挑戦となる。

また読売などは、アルバニア国会が3日、民主党のジョゼフィナ・トパリ副党首(42)を、アルバニアで初の女性議長に選出したと伝えた。

「サウスイースト・ヨーロピアン・タイムス」紙などによれば、敗北した社会党のファトス・ナノ前首相(52)は、1日、記者会見を開き、敗北の責任を取って党首を辞職すると発表した。席上、ナノ前首相は、ベリシャ元大統領の民主党が票の捏造を行ったと非難し、「不正な勝利者」と形容した。またプラウダは、社会党が議会による選挙の捜査を要求していると伝えている。

選挙監視に当たった欧州安保協力機構(OSCE)は声明を出し、選挙の改善は目ざましいが、国際的な水準に達するにはなお改善を要するとしている。一方、OSCEは、選挙の確定を歓迎するとも声明で述べている。同様に、アメリカ合衆国も選挙の確定を歓迎している。

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