アルジェリア国民投票、「平和と国民和解のための憲章」を承認

【2005年10月9日】

アルジェリアの国旗

アルジェリアで元反政府活動家および政府軍兵士の行動を免責することを内容とする「平和と国民和解のための憲章」の採択を問う国民投票が、29日実施された。 CNNなどによると、9月30日、アルジェリアのゼルフーニ内相が、97.43%の賛成を得たと発表した。最終投票率は約80%と発表された。有権者は約1,830万人。

アルジェリアでは1990年代にイスラム原理主義系の反政府活動家と政府の対立があり、両者の抗争により死亡者・行方不明者を合わせ約10万人の犠牲者が出た。BBCによれば、現在も6,000人以上が行方不明である。今回の憲章では、虐殺などを除き、自首した上武装解除に応じたものに免責を与える。またイスラム過激派の活動を禁止し、行方不明者の多くがテロリストによるものと認定する。

共同通信=産経新聞は、この投票には第三者機関による監視がなく水増しがあるのではないかという指摘があると伝えている。この投票では、大統領反対派がボイコットを呼びかけていた。

政府軍が誘拐などに関与したことが指摘されてきた一方、憲章では行方不明者の多くがテロリストによるものと認定している。共同=産経によれば、人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが、憲章が「治安要員の犯罪を免責する」としていることを懸念している。BBCによれば、人権団体アムネスティ・インターナショナルも、憲章が政府軍による人権侵害やその他の犯罪の真相究明を妨げることに懸念を示した。

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