アダルトDVD不適切審査でビデ倫幹部逮捕

【2008年3月2日】 中日新聞によると、アダルト作品DVDソフトを適切に審査しないで無修正に近い状態で市場に流通させたわいせつ図画(とが)販売ほう助、ないしは同販売・頒布容疑で、アダルトビデオの自主審査機関「日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)」の審査統括部長らが警視庁保安課に3月1日逮捕された。

それによると、逮捕されたのはわいせつ図画販売ほう助容疑がビデ倫審査部門の統括部長・小野克巳(51歳)、同販売・頒布容疑が映画製作会社の社長・五郎川弘之(46歳)ら4人の容疑者。ワイセツ作品をめぐっての審査機関担当者の逮捕、並びにビデ倫関係者が立件対象とされるのは異例のことである。日経新聞によると取調べで、小野部長は「わいせつ性に関して認識の違いがある」として一部容疑を否認しているが、他4名は容疑を大筋認めている。

朝日新聞と読売新聞によると、保安課の調べで小野容疑者は2006年秋ごろ、ビデ倫の会員メーカー2社が発売した2つの作品についてモザイク処理が薄いにも拘わらず、わいせつ性の高い作品を審査に通過させ、審査済みシールを貼ってDVDの販売を手助けしたとされる。これらはモザイクが薄く、性器の確認できたものもある。

中日と朝日によるとビデ倫は2004年10月にモザイクの処理規制を緩和し、2006年8月にはヘアも原則露出を認めるなど審査基準を緩和してきた。しかし、販売店から「モザイク処理が不充分」として抗議を受けたため、現在はやや規制を従来寄りに戻しているという。この審査基準緩和がわいせつDVDの流通に繋がったのではという見解を示し、今後理事長を含む幹部から本格的に事情聴取し、基準緩和の経緯解明を進める。

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