『はだしのゲン』作者・中沢啓治さんが漫画家を引退

【2009年9月16日】

読売新聞毎日新聞によると、広島への原爆投下に遭遇した少年の人生を描いた漫画・『はだしのゲン』の作者の漫画家中沢啓治さん(70歳、埼玉県所沢市在住)が、漫画家を引退したことが、9月15日UTC+9、以下同様)に判明した。

新聞によると、引退の理由は、中沢さんは右白内障、左目に網膜症をそれぞれ患ったことなどで視力が衰え、細かな線が描けなくなったためとしている。

読売によると、中沢さんは、6歳の時に、広島市内の爆心地から1.2キロ地点で被爆し、父と姉・弟を失った。その後1966年に亡くなった母を火葬した際、が完全に崩れて形を残さない状態となっており、「原爆は、母の骨まで奪った」として、この経験をトラウマとして、原爆をテーマに作品を描くことを決意。毎日によれば、中沢さんは、1973年から『はだしのゲン』の連載を開始し、1987年に完結させるまで14年間に亘り連載を続けた。『はだしのゲン』の単行本は計1,000万部を超え、他、十数カ国で翻訳出版されている。

読売によると、中沢さんはさらに、主人公のゲン(中岡元)がフランス絵画の修業をする続編の構想も練っていたが、手術しても視力が回復せず、断念した。中沢さんは今後は、油絵などで被爆の恐ろしさを訴え掛けていくとしており、「核兵器廃絶をこの目で確かめるまで、芸術家として頑張りたい」とコメントしている。

情報源編集