【2008年2月17日】

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ウィキペディアHD DVDに関する記事があります。
東芝が事業撤退の方針で調整に入ったとされるHD DVDのプレーヤーとディスク(GFDL)

毎日新聞産経新聞読売新聞時事通信などによると東芝は2月16日までに次世代DVD規格の一つとして開発を続けてきたHD DVD (HD) の機器生産から撤退する方向で検討をし始めたことを明らかにした。それによると、次世代DVDを巡ってはソニー等が推進するブルーレイディスク (Blu-ray Disc: BD) と東芝が推し進めてきたHDの2つの陣営が世界標準を目指して取り組んでいたが、この2つの規格は互換性がなく消費者の買い控えなども影響したため、規格争いの終結(一本化)を望む声も多かった。BDは松下日立等の他社も参入する中、HD DVDは東芝以外の参入がなく当初から劣勢の状態となっていた。

産経新聞・読売新聞・時事通信・ITmediaによると今年1月にアメリカの映画会社・ワーナーブラザーズがBD支持を明らかにするなど、アメリカの映画会社大手6社のうちの4社がBD派に。その後、アメリカでは2月11日にレンタル業者のネットフリックスと家電量販大手のベストバイ[1][2]、2月15日に小売世界最大手のウォルマートが相次いでBD支持を明らかにしていた。

産経とITMediaによると、HD DVDはBDより低価格でプレーヤーを販売し、ワーナーがBD陣営に回った1月15日には北米でプレイヤーを半額に値下げして巻き返そうとした[3]が販売シェアで大きく差をつけられ、BDが優勢とする見方が強まっていた。読売によると2007年末商戦までソフトのタイトル数は2つの規格とも370本前後で互角だったが、同年末から発売競争が本格化したレコーダー(録画・再生機)のシェアではBDが日本国内の90%以上を占め、HD DVDに大差をつける格好となった。ソフトの供給と流通ルートが縮小したため、東芝は撤退を検討し始めた。

産経新聞によるとHD DVDはBDと同様に青紫色の半導体レーザーを読み取り用部品に用いることで、DVDよりも大容量の書き込みが可能。ただ、BDより容量が劣ることやソニーの新型ゲーム機「プレイステーション3」がBDの再生機能を搭載したことなどにより、「HD DVD離れ」に歯止めをかけることができなかった。

読売新聞と中国新聞によると、東芝はHD DVD製品の販売とアフターケアは続けるが、青森県中国の工場で製作されていたHD DVDのプレーヤー・レコーダーやパソコン用再生機器の生産、新製品の開発は打ち切られる予定で、これらHD DVD撤退による損失は少なくとも数百億円ともなり、経営への影響が避けられないと見ている。産経新聞は「消費者置き去り」のままで続いた規格戦争は、既にHD DVD機器類を購入した消費者への対応などの重い負担をメーカー側に残すとしている。

脚注 編集

  1. レンタルビデオのNetflix、Blu-rayに一本化 - ITmedia、2008年2月12日
  2. Best BuyもBlu-ray支持に - ITmedia、2008年2月12日
  3. 東芝、価格でBDに反撃 北米でHD DVDプレーヤー再値下げ・中級機は半額に - ITmedia、2008年01月15日。

出典 編集