トロピカルストーム「アルファ」発生、年間ハリケーン発生数、観測史上最多を記録

【2005年10月24日】

進路予想図、10月22日東部夏時間午後11時時点、米国立ハリケーンセンター提供

カリブ海で22日午後5時(東部夏時間、UTC-4、日本時間23日午前6時)までに、トロピカルストーム(熱帯性暴風)「アルファ」が発生し、2005年に北大西洋海域で発生したハリケーンの数は観測史上最高の22に達した。また「アルファ」は観測史上初めてギリシア文字により名付けられたハリケーンとなった。ハリケーンの命名規則では、Q、U、X、Y、Zを除くアルファベットを頭文字にする21の人名があらかじめ決められている。それで不足する場合は、ギリシャ文字を順に付けることとなっており、21番目のウィルマ(Wilma)のあとは、したがってアルファとなる。

米国立ハリケーンセンターによれば、東部夏時間23日午前2時現在「アルファ」は時速40マイル(毎秒17m)で、トロピカルストームと判定される閾値(最大風速34ノット=毎時39マイル=以上)をわずか時速1マイルだけ上回っていた。その時点で中心はドミニカ共和国サントドミンゴの95キロメートル南の海上にあったが、北上し、23日午前中にイスパニョーラ島に上陸した。上陸後は勢力を弱め、現地時間午前11時までに風速時速35マイル(毎時55キロメートル)の熱帯低気圧となった。しかしハリケーンセンターでは今後勢力を回復しふたたびトロピカルストームとなるおそれもあるとしている。

上陸前、イスパニョーラ島の西部を占めるハイチおよび東部を占めるドミニカ共和国の海岸部にトロピカルストーム警報が出ていたが、現地時間午前11時に解除された。同センターでは、今後の進路として予想されるバハマおよび英領タークス・カイコス諸島では依然として警戒が必要だとしている。

AP通信によれば、1995年以来、ハリケーンの活動は活発になりつづけている。科学者は、海水の温度上昇とハリケーンをばらばらにするウィンドシア(局地的に風向や風速が極端に変化していること)の発生の減少を、ハリケーンが増加している原因として指摘している。

これまでのハリケーンの北大西洋における年間発生最高記録は1933年に観測された。ハリケーンシーズンは11月末まで続くため、今シーズンの記録はさらに更新される余地を残している。

英語版ウィキニュースからの翻訳です。

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