シンガポール、試験委員会が解答不能問題を数学で出題

【2005年10月15日】

シンガポールで、今年の学年末に行われた数学の試験問題に、不正確に書かれた解答不能の問題があった。このことについて試験委員会に苦情が寄せられていると、シンガポールのテレビ局チャンネル・ニュースアジアが12日伝えた。

初等学校卒業試験(PSLE)は、どの中学校に入るかを決定するため全国で行われている。中学校の格付けは、在籍する生徒のPSLE平均点によって行われる。シンガポールでは一般的に、この制度に基づき、どこの中学に入ったかにより生徒が「できる」「できない」といったことが判断される。

チャンネル・ニュースアジアにコメントを求められたある中学生は「こんなのばかげてるよね」と評している。

問題となったのは、数学の問13。長方形の2辺の長さと、その長方形に含まれる三角形A・Bの面積に基づき、やはりその長方形に含まれる別の長方形Cの面積を求める問題だった。しかし、三角形が含まれている長方形と2つの三角形の大きさには、矛盾があった。したがって与えられた条件に基づいてそのような図を作図することは数学的に不可能だったのである。

このため、すべての生徒に解答にかかわらず2点が与えられることになった。しかし親や生徒の中には依然不満を抱いているものもいる。

2点が与えられたことに満足している生徒もいる。「2点もらえたので、とてもとてもうれしいです」とある生徒はチャンネル・ニュースアジアに語った。

試験委員会の主張では、経験豊富な試験官により問題には少なくとも5回のチェックが行われた。また試験委員会は、親と生徒に対し、今後このような誤りを除くべく厳重にすべての試験問題をチェックすると約束した。

英語版ウィキニュースに基づきます。

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