イギリスで航空機爆破未遂事件、テロ警戒度を最高レベルに引き上げ

【2006年8月11日】

ヒースロー空港の滑走路と航空機(資料、2005年11月撮影)

ロンドン警視庁は10日(現地時間、UTC)までに、イギリスの首都ロンドンヒースロー国際空港からアメリカ合衆国ボストンニューヨークワシントンシカゴロサンゼルスへ向かう航空機計10機の爆破を計画していたとして、25人の容疑者を逮捕した。これを受けてイギリス・アメリカの両政府は、それぞれテロ警戒度を最高レベルまで引き上げた。

産経新聞によると、ロンドン警視庁は数か月前から事件を察知して捜査を始めていた。逮捕者の多くはパキスタン系イギリス人で国際テロ組織アルカイダである可能性が強い。

北日本新聞によると、容疑者の1人がユナイテッド航空の航空券を購入していたことが判明。さらに容疑者が11日に予行演習を行い、16日にテロ実行予定であったと供述した。

同じく北日本新聞によると、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行は11日、財務省の指示で容疑者19人の氏名や年齢、居住地を公表した。20代が中心で、17歳の少年も含まれていた。

読売新聞が伝えたABCの報道によると、この計画では液体の爆発物の上にスポーツ飲料を入れて飲まされてもいいようにし、機内に持ち込み、使い捨てカメラのフラッシュで爆発させる予定であった。同じくCNNの報道によれば、携帯電話や音楽プレーヤーを起爆装置にする計画だったとの情報もある。

アメリカの航空会社やアメリカへ向かう航空便の機内に必要不可欠なもの(乳児用ミルク、処方箋に一致する薬物、など)以外の液体(飲料、化粧品シャンプーなど)の持込を禁止した。また、機内に持ち込む物は透明なビニール袋に包んで機内に持ち込まなければならなくなった。その影響でヒースロー空港では短距離便の離着陸を禁止するなど、イギリスやアメリカの空港では混乱が続き、欠航や遅れが相次いだ。

日本の各国際空港でも手荷物検査が厳しくなり、お盆で海外への旅行客の出国ラッシュが始まったこともあって空港では混雑が続いた。空の便も乱れ、ヒースロー国際空港から成田国際空港への便では最大3時間遅れた。

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