「高密度の世界では質量が減少する―理研などが観測に成功」の版間の差分

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[[w:毎日新聞|毎日新聞]]が12月8日付で報じたところによると、[[w:理化学研究所|理化学研究所]]や[[w:京都大学|京都大学]]などからなる研究チームが、高密度下では物質を構成する素粒子の質量が減少することを実験で確認した。近く米国の科学誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版に掲載される。
 
理研が1012月7日付で公開したプレスリリースによると、物理法則の基本的な理論とされている[[w:標準模型|標準理論]]では、[[w:ヒッグス場|ヒッグス機構]]により物質の質量が説明されるが、これでは[[w:陽子|陽子]]や[[w:中性子|中性子]]を構成する[[w:クォーク|クォーク]]の質量のうち2%しか説明できない。現在の理論では、真空中はクォークと反クォークのペアで満たされており、その抵抗によってクォークの質量の大部分が生まれているとされている。このクォーク・反クォークのペアは宇宙が生まれた直後の高温、高密度の状態では存在せず、その後宇宙が膨張、冷却する過程で発生したと考えられている。
 
研究チームは、原子核内部が天然の高密度空間であることを利用し、この中で[[w:中間子|φ中間子]]という、ストレンジクォークと反ストレンジクォークからなる粒子の質量を測定することによってこの理論を検証した。φ中間子は[[w:銅|銅]]などの原子核に陽子をぶつけることで生まれるが、この粒子は1.5×10<sup>-22</sup>秒という短い時間で崩壊する。この崩壊によって生まれる[[w:電子|電子]]と[[w:陽電子|陽電子]]のペアを測定することによってφ中間子の質量を調べることができる。もしφ中間子が原子核内部で崩壊したなら、その質量は真空中のそれよりも小さく観測されるはずである。実際に測定してみたところ、確かに質量は3%ほど減少していた。