「オルフェーヴル8馬身差で圧勝、引退式には6万人 - 第58回有馬記念」の版間の差分

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{{日付|2013年12月28日}}
{{Wikipediapar|第58回有馬記念}}
 
2013年12月22日(日)に[[w:中山競馬場|中山競馬場]]で行われた[[w:第58回有馬記念|第58回有馬記念]]は、[[w:オルフェーヴル|オルフェーヴル]]が8馬身もの差をつけ圧勝した<ref name = "有馬記念 - 結果" />。
2着はウィンバリアシオン、3着には[[w:ゴールドシップ|ゴールドシップ]]が続いた<ref name = "有馬記念 - 結果" />。
 
== 交わる事のなかった「3強」の蹄跡 ==
今回勝利したオルフェーヴルと同年代の実力的に対抗しうるライバル馬として、ゴールドシップや[[w:ジェンティルドンナ|ジェンティルドンナ]]による「3強」が形成されている<ref name = "Number Web - 2013年1月12日" />。
2012年までは3頭が一斉に同レースへ出走したことがなく、どのレースで「3強」対戦が成立するのかが2013年における競馬の関心事の一つとなっていた<ref name = "Number Web - 2013年1月12日" />。
 
6月に行われた[[w:宝塚記念|宝塚記念]]で「3強」対決が成立する気運が生まれたが、オルフェーヴルの疾病による出走回避で「3強」対決の成立はならず<ref name = "Number Web - 2013年6月21日" />。今回の有馬記念で「3強」対決の成立に期待がかかるも、ジェンティルドンナが来春のドバイ遠征を目指すため有馬記念を出走回避したことにより<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月26日" />、「3強」が同じターフの上で鎬を削るファンの望みは、ついに叶えられなかった<ref name = "Number Web - 2013年12月20日" />。
 
「3強」以外の有力馬に関しても、今年勝利したGI勝利馬の多くが出走回避したことを[[w:井崎脩五郎|井崎脩五郎]]が指摘している。例えば
[[w:天皇賞#天皇賞(秋)|天皇賞(秋)]]を制覇した[[w:ジャスタウェイ|ジャスタウェイ]](ファン投票10位<ref name = "有馬記念 - ファン投票" />)や[[w:菊花賞|菊花賞]]を制した[[w:エピファネイア|エピファネイア]](ファン投票8位<ref name = "有馬記念 - ファン投票" />)、[[w:マイルチャンピオンシップ|マイルチャンピオンシップ]]を制覇した[[w:トーセンラー|トーセンラー]](ファン投票7位<ref name = "有馬記念 - ファン投票" />)や、[[w:秋華賞|秋華賞]]および[[w:エリザベス女王杯|エリザベス女王杯]]を制した[[w:メイショウマンボ|メイショウマンボ]](ファン投票6位<ref name = "有馬記念 - ファン投票" />)、そして今年の[[w:東京優駿|ダービー]]覇者でありオルフェーヴルとともに[[w:凱旋門賞|凱旋門賞]]への挑戦も敢行した[[w:キズナ (競走馬)|キズナ]](ファン投票2位<ref name = "有馬記念 - ファン投票" />)。ファンの望みは数あれど、有馬記念という舞台ですべてに応えることは叶わなかった現実がある<ref name = "サンデー毎日" />。
 
過去の有馬記念において繰り広げられた名勝負の一つに、1984年(昭和59年)に行われた[[w:第29回有馬記念|第29回有馬記念]]の[[w:シンボリルドルフ|シンボリルドルフ]]、[[w:ミスターシービー|ミスターシービー]]、[[w:カツラギエース|カツラギエース]]によって競われた「3強」の対決がある<ref name = "思い出の名レース - シンボリルドルフ" />。ファンが強者への闘いに期待を寄せるのは自然の摂理である。
 
レースを主催しているJRAも手をこまねいているだけでなく、一つの対策を打ち出してきた。それが「特別出走奨励金の交付」である<ref name = "JRAニュース - 特別出走奨励金" />。有馬記念の「競走内容のより一層の充実を図る」目的で、ファン投票で1位から3位に選出された馬が「出走」されると2000万円、4位から5位までは1000万円、6位から10位までは500万円をJRAから交付する事で有力馬の出走を促してゆく。<ref name = "JRAニュース - 特別出走奨励金" />。
 
== 競馬場へ刻み込んだ蹄跡と熱気 ==
 
中山競馬場へ並ぶ徹夜組は865人に及んだ<ref name = "デイリースポーツ - 2013年12月23日" />。これは前年の約2倍にあたる<ref name = "デイリースポーツ - 2013年12月23日" />。中山競馬場の開門時間である午前7時半には5640人にまで増え(前年比158.4%)<ref name = "デイリースポーツ - 2013年12月23日" />、12月23日を通しての入場者数は12万4782人(前年比123.3%)に達した<ref name = "デイリースポーツ - 2013年12月23日" />。中山競馬場の最終レースが終わった後、帰路となるJR[[w:船橋法典駅|船橋法典駅]]の地下道では混雑による退場規制が実施され、通常10分程度であった行程が最大で70分を要する混雑ぶりとなった<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月23日" />。
 
レースでは、オルフェーヴルは単勝1.6倍を記録、有力馬の回避もあったとはいえ、名だたる実力馬が集ったこのレースにあっても圧倒的な存在感を示していた<ref name = "有馬記念 - 結果" />。そして他馬をものともしない8馬身差で悠然と勝利した<ref name = "有馬記念 - 結果" />。オルフェーヴルの強さを、騎乗していた[[w:池添謙一|池添謙一]]騎手は「この馬が世界一強い」とこれ以上ない分かりやすい表現で称えた<ref name = "有馬記念 - 結果" />。能力の高さはレース後に評価された[[w:レイティング|レーティング]]において、他馬から抜きん出た「129」を記録したことからも伺える<ref name = "レーティング&ランキング" />。更には、17時過ぎより始まったオルフェーヴルの引退式には、6万人ものファンがオルフェーヴルの引退式に臨んだ<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月23日オルフェーヴル引退式" />。
 
オルフェーヴルを管理している[[w:池江泰寿|池江泰寿]]調教師は「目先の勝利にこだわらず、先を見据えることで大輪を咲かせることができたと思います。」とオルフェーヴルと歩んできた蹄跡を振り返った。オルフェーヴルの厩務員として携わった森澤光晴厩務員は「オルフェーヴルには、できる限り優しく接するように心掛けていました」とオルフェーヴルと過ごした日々を懐かしみ、オルフェーヴルの調教にあたった川合達彦調教助手は「オルフェーヴルの子供の調教をつけるのが今から楽しみです」と将来の希望をにじませた。馬主である[[w:サンデーレーシング|サンデーレーシング]]の吉田俊介氏は「新潟でのデビュー以来、素晴らしい活躍をしましたが、決して優等生ではなかったことが、オルフェーヴルの魅力だったと思います。」とオルフェーヴルの魅力について触れ「凱旋門賞(G1)制覇は産駒に託します」と語った<ref name = "JRA - オルフェーヴル号の引退式" />。
 
熱気はオルフェーヴルだけに向けられたのではなく、挑戦馬にも分け与えられた。惜しくも故障発生により有馬記念への出走が叶わなかった[[w:エイシンフラッシュ|エイシンフラッシュ]]である。有馬記念の翌日である23日に中山競馬場でエイシンフラッシュの引退式が実施されたが、「挑戦馬」に対してもファンは惜しみない称賛を贈った<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月24日フラッシュ引退式" />。
 
== 次につながる蹄跡 ==
 
「3強」の一角であるゴールドシップは26日にレースの疲労を癒すため吉澤ステーブルWESTへ放牧された。ゴールドシップが取る今後のレースプランは、オルフェーヴルの成し得なかった凱旋門賞の制覇も考慮している。ゴールドシップに携わっている今浪厩務員は「来年はオルフェもいないし、競馬界を引っ張っていかんとな」と語り強者としての義務に気を引き締めた<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月24日-3" />。「3強」のもう一角であるジェンティルドンナは、今年挑戦して2着に終った[[w:ドバイシーマクラシック|ドバイシーマクラシック]]への再挑戦が有力視されている<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月28日" />。
 
オルフェーヴルは種牡馬入りすることが決まった<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月23日オルフェーヴル引退式" />。オルフェーヴルは[[w:社台スタリオンステーション|社台スタリオンステーション]]へ25日にスタッドインしたが、
スポーツ紙や一般紙の記者および競馬マスコミ関係者、さらには[[w:安平町|安平町]]の広報担当までもが駆けつけ、約50人が見守る中でスタッドインを迎えた。
オルフェーヴルの種付料600万円は新種牡馬としては異例の高額設定であったが、種付料の発表前から社台スタリオンステーション事務局へ種付に関する問い合わせが相次いでいたこともあり、種付料の発表と同時に150口が契約成立しBook Full(満口)となった<ref name = "馬産地ニュース" />。あらためてオルフェーヴルの「子」に対するファンの高い期待感を伺わせる出来事となった。
 
「3強」の一角であったシンボリルドルフの子として、強者の流れを受け継いだ[[w:トウカイテイオー|トウカイテイオー]]は、1993年(平成5年)に行われた[[w:第38回有馬記念|第38回有馬記念]]においてGI馬が8頭もひしめく中にあって、前回の第37回有馬記念から364日振りの出走という常識外れのローテーションで出走した上で制覇してみせ、「強者」の流れを受け継いでいることを証明してファンへ応えた<ref name = "思い出の名レース - トウカイテイオー" />。強者の「子」がまたいつの日か有馬記念で交わり能力を証明する事が期待される。
 
== 情報源 ==
<references>
 
<ref name = "有馬記念 - 結果">{{情報源・ウェブ|著者 = 谷川善久|url = http://jra.jp/datafile/seiseki/g1/arima/result/arima2013.html|タイトル = 第58回 有馬記念|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 = }}</ref>
 
<ref name = "Number Web - 2013年1月12日">{{情報源・ウェブ|著者 = 片山良三|url = http://number.bunshun.jp/articles/-/325596|タイトル = 2013年も主役はこの3頭。揃い踏みは見られるのか。~10月の凱旋門賞までお預け!?~|発行者 = Sports Graphic Number|表示名 = Number Web|日付 = 2013年1月12日}}</ref>
 
<ref name = "Number Web - 2013年6月21日">{{情報源・ウェブ|著者 = [[w:島田明宏|島田明宏]]|url = http://number.bunshun.jp/articles/-/491349|タイトル = ジェンティル、ゴールド、フェノー。宝塚記念、“最強の4歳”はどの馬だ!?|発行者 = Sports Graphic Number|表示名 = Number Web|日付 = 2013年6月21日}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月26日">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/11/26/kiji/K20131126007088070.html|タイトル = ジェンティルドンナ 有馬記念を見送って来春ドバイ遠征に照準|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年11月26日}}</ref>
 
<ref name = "Number Web - 2013年12月20日">{{情報源・ウェブ|著者 = 島田明宏|url = http://number.bunshun.jp/articles/-/770262?page=3|タイトル = “強面白かった”馬、オルフェーヴル。ラストランの有馬記念でサプライズは?|発行者 = Sports Graphic Number|表示名 = Number Web|日付 = 2013年12月20日}}</ref>
 
<ref name = "有馬記念 - ファン投票">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://jra.jp/news/201312/120501.html|タイトル = 有馬記念ファン投票 最終結果発表!|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 = 2013年12月5日}}</ref>
 
<ref name = "サンデー毎日">{{情報源・ウェブ|著者 = [[w:井崎脩五郎|井崎脩五郎]]|url = http://sunday.mainichi.co.jp/blog/2013/12/post-590d.html|タイトル = 井崎脩五郎の予想上手の馬券ベタ - 有馬記念で伏兵の大駆けがあるとすれば中山芝二千以上無敗のヴェルデグリーン|発行者 = サンデー毎日|表示名 = サンデー毎日|日付 =}}</ref>
 
<ref name = "思い出の名レース - シンボリルドルフ">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.jra.go.jp/50th/html/gjpro/13.html|タイトル = 思い出の名レースNo.13 S59有馬記念 シンボリルドルフ|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 =}}</ref>
 
<ref name = "JRAニュース - 特別出走奨励金">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://jra.jp/news/201311/112001.html|タイトル = JRAニュース 2014年度競馬番組等について|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 = 2013年11月20日}}</ref>
 
<ref name = "デイリースポーツ - 2013年12月23日">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.daily.co.jp/horse/2013/12/23/0006590278.shtml|タイトル = 【有馬記念】入場者数は前年比123・3%|発行者 = デイリースポーツ|表示名 = デイリースポーツ|日付 = 2013年12月23日}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月23日">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/12/23/kiji/K20131223007252180.html|タイトル = 【有馬記念】入場者前年比123.3%、売り上げは微増|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年12月23日}}</ref>
 
<ref name = "レーティング&ランキング">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://jra.jp/datafile/ranking/jyusyo/2013/12-g1.html#5|タイトル = データファイル - レーティング&ランキング|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 =}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月23日オルフェーヴル引退式">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/12/23/kiji/K20131223007252060.html?feature=related|タイトル = 引退式に6万人…オルフェ、17年にも2世デビューへ|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年12月23日}}</ref>
 
<ref name = "JRA - オルフェーヴル号の引退式">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://jra.jp/news/201312/122203.html|タイトル = オルフェーヴル号の引退式【中山競馬場】|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 = 2013年12月22日}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年12月24日フラッシュ引退式">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/12/24/kiji/K20131224007259160.html|タイトル = 中山でフラッシュ引退式、ファンから惜別の拍手 種牡馬でも注目|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年12月24日}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月24日-3">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/12/24/kiji/K20131224007258890.html|タイトル = バリアシオン、日経賞から天皇賞へ ゴールドは凱旋門賞も視野|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年11月24日}}</ref>
 
<ref name = "Sponichi Annex - 2013年11月28日">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/11/28/kiji/K20131128007097100.html|タイトル = 来春ドバイ遠征 ジェンティルはシーマクラシック参戦へ|発行者 = スポーツニッポン|表示名 = Sponichi Annex|日付 = 2013年11月28日}}</ref>
 
<ref name = "馬産地ニュース">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://uma-furusato.com/news/detail/_id_75031|タイトル = 馬産地ニュース - オルフェーヴルが社台スタリオンステーションにスタッドイン|発行者 = 日本軽種馬協会|表示名 = 競走馬のふるさと案内所(日本軽種馬協会)|日付 = 2013年11月26日}}</ref>
 
<ref name = "思い出の名レース - トウカイテイオー">{{情報源・ウェブ|著者 =|url = http://www.jra.go.jp/50th/html/gjpro/16.html|タイトル = 思い出の名レースNo.16 H05有馬記念 トウカイテイオー|発行者 = 日本中央競馬会|表示名 = JRA(日本中央競馬会)|日付 =}}</ref>
 
</references>
 
[[Category:日本]]
[[Category:競馬]]
[[Category:中央競馬]]
[[category:競馬G1]]
 
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