新日本石油、九州石油を吸収・合併へ

【2008年3月19日】 毎日新聞によると、石油元売り最大手・新日本石油(新日石)は3月18日、九州石油(九石 本社:東京都)を10月に吸収・合併する方針を決めた。新日石は九石が出した発行済み株式の10%を保有している第2位株主であるが、現在筆頭株主で株式の36%を保有する新日本製鐵等から株式の全株取得を目指して交渉を進めている。

時事通信によると、新日石と九石の統合が実現すれば国内のガソリン販売シェアーが現在の22.5%から25%に上がり、エクソンモービル以下の各石油メーカーを大きく引き離すこととなる。また、九石が展開する「ストーク」のブランド名の存廃については現状未定とされている。

中日新聞によると、最近の日本国内における石油製品市況は原油高によるコストの増加やガソリンの需要低下などの影響で厳しい状況にあり、両社の経営統合・合併を行うことで規模拡大・競争力の向上・強化を図る狙いがあるとしている。特に九石はこのガソリン需要の低下の影響から単独で生き残ることが困難として新日石と統合・合併する方針を固めたものと推測され、一方の新日石も九州地域で販売される石油の一部を九石から購入している(九石は大分市に石油製油所がある。これは他のメーカーを含め九州地方で唯一ある製油所である)が、新たに新日石の自社製油所を設けることにより製品の生産計画の立てやすさと九州地方から石油製品を輸出できるなどのメリットを持つとされている。

一方、テレビ大分によると、今回の九石の新日石への経営統合を受けてJ1サッカーリーグトリニータの本拠地で、また今年国体が行われる大分ビッグアイ命名権への影響も懸念されている。大分ビッグアイは2年前から九石が命名権を取得し「九州石油ドーム」としているが、この契約は2009年2月まで残っている。現在大分県が情報収集に力を入れており、九石も「混乱をきたさないよう名称を変えないような対応をしたい」と説明。現在の命名権そのものは2009年2月の契約満了まで続ける予定だが、その後の対応は合併協議の中で行うとしている。

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