偽新1万円札を使って商品を購入 男を逮捕

【2025年3月14日】

新1万円紙幣(見本・禁無断複製)

2024年から発行されている新紙幣の1万円札を無断複製・偽造し、それを使ってコンビニエンスストアで商品を購入したとして、警視庁東京都台東区の男を逮捕した。容疑を認めている。新紙幣の偽造による摘発は全国初という[1]

逮捕された台東区の職業不詳・斎藤瑞樹容疑者(27)は、2月10日、同都新宿区にあるコンビニで、タバコ飲料の2点・合わせて690円相当を購入した際、この偽1万円札で支払った。この際に応対していた店員が紙幣を触ったところ、違和感があったとして警察に110番通報したという[2]

新紙幣は、無断複製・偽造を防止するため、見る角度によって肖像の顔が動く「3Dホログラム」と呼ばれる技術が採用されており、この技術が今回の偽札を見破るきっかけになった。店員は斉藤容疑者から支払った紙幣と、別の本物の紙幣と照らし合わせて、このホログラムがないことや、光に当てたところ透かしがないことを見破り、警察に通報したという[3]

斉藤容疑者は調べに対して「自分がやったことです」と容疑を認めている。また警視庁捜査第2課が斉藤容疑者の自宅を捜索したところ、家庭用のプリンターと、それを使って印刷したとされる新1万円札と新5000円札の偽札・合計50枚以上が見つかった。同課は斉藤容疑者が自宅でこの偽札を無断複製・偽造したとみて調べを進めている[4]。同都内では2月以後、コンビニやタクシーで、この偽の新紙幣が使われた被害も複数件確認されたことから、この関連を含めた余罪も追及している[2]

新紙幣は2024年7月3日から、20年ぶりに導入・発行されているが、この新紙幣の背景には、無断複製・偽造防止の目的がある。実際、日本国内の無断偽造紙幣は2023年に681枚、2024年に至っては2723枚が確認され、また無断偽造通貨の認知件数も2023年に227件が確認され、31人が逮捕などの摘発を受けている。この新紙幣は、それらの無断偽造を防ぐ目的で、旧紙幣同様に、カラーコピー機では再現できないように微小な文字を印刷しているほか、図面や額面の文字を触るとザラザラする「深凹(おう)版」を取り入れているほか、肖像が浮かぶ「透かし」にも高精細な模様を取り入れたり、肖像が立体的に見える「3Dホログラム」も世界の紙幣として初めて採用されている[5]。なお無断複製した偽造通貨を使った場合、最高刑罰は無期懲役となる[6]

情報源

編集
  1. NHK NEWS WEB 『新一万円札の偽札使いコンビニで商品購入か 27歳の容疑者逮捕』 — 日本放送協会, 2025年3月13日 16時29分
  2. 2.0 2.1 毎日jp・遠藤龍 『新1万円札の偽札使用した疑い 全国初摘発 27歳男性逮捕』 — 毎日新聞, 2025年3月13日 16時50分(最終更新 3月13日 16時53分)
  3. テレ朝News(スーパーJチャンネル) 『“全国初”偽造新札を使用か 男逮捕』 — テレビ朝日, 2025年3月13日 20時21分
  4. 時事通信ニュース 『偽の新1万円札使用容疑で男逮捕=全国初、自宅でカラー印刷か―警視庁』 — 時事通信社, 2025年3月13日 17時58分
  5. 読売新聞オンライン 『偽の新1万円札をコンビニで使用した疑い、27歳の男を逮捕…家庭用プリンターで偽造か』 — 読売新聞, 2025年3月13日 13時39分
  6. TBS NEWS DIG Powerd by JNN 『「あれ?他のお札と違うな…」コンビニ店員が“偽札”見破り全国初摘発 偽の新1万円札でたばこと缶コーヒー購入か 27歳男を逮捕 警視庁』 — TBSテレビ, 2025年3月13日 16時33分