ウクライナ・ゼレンスキー大統領がG7に結束を呼びかけ - オンライン会談

【2025年2月25日】

ロシアによるウクライナ侵攻が2月24日で3年を迎えるにあたり、G7(先進7か国)は、ウクライナのゼレンスキー大統領を交えたオンラインのテレビ会談を行い、ゼレンスキー氏がG7加盟各国に対して、結束維持を呼び掛けた[1]

日本政府によると、日本石破茂首相は、現在の事態打開への期待と力による現状変更への懸念とともに、ロシアと北朝鮮による軍事協力体制を非難。そのうえでG7としての結束を呼び掛けたとし、会談後の記者会見で「共同声明はなお作業中だが、首脳間の発言に主たる対立があったとは思っていない」と強調している。またゼレンスキー氏も引き続きG7からの支援を期待するとしたコメントが寄せられたという[2]

しかし、ブルームバーグの取材に答えた事情に詳しい複数の関係者によると、G7加盟各国との間で亀裂が広がっており、ウクライナ和平への共同声明に向けた合意が危ういとの見方が強まっている。アメリカが、これまでのG7声明と同じようにロシアを非難する文章を盛り込むことに反対したことで、各国が妥協点を見出そうと取り組んでいると、匿名を条件にその取材に応じた関係者が答えている。また関係者によれば、アメリカは声明の支持を完全に撤回するとの警告をしているとされている[3]トランプアメリカ大統領がロシアに対して、ウクライナへの停戦をめぐる融和姿勢を示していく中で、G7がどのようなウクライナ支持とロシアによる侵攻非難を打ち出せるかが、今後の焦点とされている[4]

情報源

編集
  1. 読売新聞オンライン・キーウ=上杉洋司、ニューヨーク=山本貴徳 『侵略3年、ゼレンスキー氏がG7の結束維持呼びかけ…共同声明を採択できるか焦点』 — 読売新聞, 2025年2月25日 0時53分
  2. 朝日新聞デジタル・小林圭 『石破首相、ウクライナ支援の継続方針を表明 G7オンライン首脳会議』 — 朝日新聞, 2025年2月25日 0時36分
  3. ブルームバーグ日本語版 Alberto Nardelli、Donato Paolo Mancini 『ウクライナ巡り米国の親ロ姿勢鮮明に、国連・G7で同盟国と亀裂』 — ブルームバーグ, 2025年2月25日 3時21分
  4. 時事ドットコム 時事通信 外信部 『対ウクライナ、結束焦点に G7首脳がテレビ会議』 — 時事通信社, 2025年2月25日 1時08分